Fsの独り言・つぶやき

1951年生。2012年3月定年、仕事を退く。俳句、写真、美術館巡り、クラシック音楽等自由気儘に綴る。労組退職者会役員。

古い自分を拾い集めて歩く

2014年05月31日 22時37分47秒 | 日記風&ささやかな思索・批評
 本日のお昼にアップした記事「「魯迅の階段教室」&壱弐参横丁」に寄せられた通りがかり人様のコメントに私は気取って次のようにこたえた。

 学部の二年間ははっきり言って、魂の抜けた抜け殻、息をしているだけの亡霊のようにフラフラほっつき歩いていました。恥ずかしながら生き続けているようで‥。早く抜け出したくて、気の遠くなるように長い二年間をひたすら耐えていました。
 「懐かしい町」を歩く、というのは「自分の恥が埋まっている街」から古い恥を拾い集めて歩くようなものです。これもエネルギーが必要です。
 今も付き合ってくれる当時の友人は、教養部の三年間だけでなく、そんな亡霊のような私の二年間と、それだけでなく卒業後も付き合ってくれた仲間です。

 「恥」というのは別に酔っぱらってまき散らした恥を表現しているわけではない。自分を見失って、自分の外界との関係をうまく処理できなくなっていた当時の不安定な自分を表現してみた言葉である。昔の自分、と言い換えればいいだけかもしれない。
 当時と現在の街を同時に歩くということは、そんな40年前の自分と向き合うことだ。街の風景に埋もれた古い景色の中から自己を見失っていた頃の自分を掘り起こすことである。掘り起こしながら、今の自分を照らし出して見る行為である。
 横浜という土地で40年暮らしても、忘れようにも忘れられなかった仙台での20代前半の自分、しかし細部では記憶は大きくズレている。最近は、そのズレを再確認しながら、最近はこのズレの原因にこだわって反芻し続けてばかりいる。当時と現在の自分を結びつけるまでにはならない。先の見えない堂々巡りを繰り返す自分に苛立ってばかりいる。
 仙台に暮らし始めた初めの3年間、ひたすら社会と自分の濃密な関係を追い求めたと思う。そして崖っぷちに立っている自分にたじろいで、たたずむことになった2年間。誰にでもある20代の屈曲点とかたずけてしまうのは簡単であっても、そこから抜け出すことの困難は、個人、時代、経験、自己史、周囲の状況等々でバリエーションは無限にある。
 そんな出口のない思いをめぐらす街が、私にとっての仙台である。




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「和船の世界」講座終了

2014年05月31日 17時48分36秒 | 芸術作品鑑賞・博物館・講座・音楽会等
 神奈川大学のエクステンション講座「和船の世界」(昆政明神奈川大学歴史民俗資料学研究科教授)の3回連続講座が終了した。
 昨年度後期の講座も受講した。今回は無料講座ということで、ありがたく拝聴した。とてもわかりやすく、また話も面白い。和船の構造から操船方法、荷船の経済学、船の運航に関わる信仰や民俗学的な側面など多様なアプローチを話してもらえる。とても数回連続講座で終わる内容ではないが、興味深く受講できる。
 できれば、近世の船の流通、特に神奈川湊を中心とした経済的側面、信仰などに絞ってもらえれば私の興味とかなり重なるのだが‥。
 そんな講義が聴けるように、幾度でも受講したいと思わせる話術も大したものである。

 さて、本日はかなり暑かった。仙台では30℃を超えたようだが、横浜も30.3℃となったらしい。ちょうどその頃は講座を聴いていたので助かった。
 梅雨入りはまだ先らしい。今年の梅雨は長いのか、短いのか、わがままなオジサンは、早目に知りたいのである。





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「魯迅の階段教室」&壱弐参横丁

2014年05月31日 12時48分01秒 | 山行・旅行・散策
 5月26日は昼食を松島の五大堂の傍の店でみんなと食べてから、幾人かと一緒に仙台駅まで戻った。

      

 新幹線組とわかれ、ひとりでぶらぶらと片平の東北大キャンパスまで歩いた。北目町通、柳町通を交互に行ったり来たりした。昔の雰囲気を探しながら‥。16時過ぎに片平についてから、ふと「魯迅の階段教室」という案内標識に目が留まった。
 構内の地図で確かめると昔私が学部に入ってから物理の授業を受けていたすぐ隣である。確か金属工場があったすぐ横である。しかしまったく記憶がない。

      

 今の東北大本部の建物の裏手である。さっそく行ってみたが、東北大学出版会の入っている建物の裏手で、良く見えない。写真も取れない。ウロウロしていたら「魯迅の階段教室の見学は16時まで」という広報課の案内が目についた。大学本部の広報課に駆け込んで「外観の写真だけでも取らせてほしい」と頼み込んだところ、本部の建物の裏手から入れてもらい、写真を撮らせてくれた。そしてパンフレットも貰えた。
このパンフレット、現在の東北大のコマーシャルには保留を付けたうえで、とりあえず掲載する。魯迅の紹介について参考にしてもらえば嬉しい。詳しくは魯迅の「藤野先生」を是非読んでいただきたい。
 パンフレットによれば私が在学中は化学科の講義棟として使っていたようだ。こんど化学の同窓生に確かめてみよう。
 それはさておき、写真を撮影した段階でスマホの電池切れて。慌ててドコモショップを探して一番丁に戻り、充電開始。その間に喫茶店でもらったパンフを読んでいたら、「魯迅記念展示室」があるとの情報に気付いた。しかしすでに17時間近。ここは次回訪れたら真っ先に見学に行くことにした。



 23時30分のバスまで時間をつぶすために昔お世話になった懐かしい金港堂書店で「ニュートン」を購入してから、文化横丁と壱弐参(いろは)横丁を散策。昔から何となく文化横丁は高そうな店が多く(実際に入って比べたことはないので誤解ならばゴメンナサイ)、敬遠気味。今回も壱弐参横丁に決めた。飛び込みで入った店は「陽」という店。
 そこのマスターと話をしたり、「ニュートン」を読んだり、むろんお酒を3杯呑んで楽しく過ごした。お通しが最初から3品出てきた。マグロの煮付け、海鼠の酢の物、そしてイワシとカツオのたたき。美味しかった。「綿屋」というお酒が私の口に合ったのだが、一迫のお酒で最近全国的に広がっているらしい。知らなかった。
 18時半から21時まで長居をして、フラフラと仙台駅まで歩き、途中で蕎麦を1枚を食してバス停へ到着。

 魯迅については、一度は書いてみたい。





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