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Fsの独り言・つぶやき

1951年生。2012年3月定年、仕事を退く。俳句、写真、美術館巡り、クラシック音楽等自由気儘に綴る。労組退職者会役員。

寒波襲来

2018年01月10日 22時56分45秒 | 俳句・短歌・詩等関連
 昨日の退職者会の幹事会で決まったいくつかの日程をスケジュール帳に書き込んで本日の夜の作業は終了。
 本日は風がそれなりに強くそして冷たかった。明日はもっと冷え込むとのこと。明日の予報気温は3℃~9℃、あさっては1℃~8℃。日曜までは寒さが続くとのこと。長年横浜にいるが、寒い方の部類に入ると思う。
 明日は入院した友人の見舞い。その後都内に出て飲み会。

寒波きぬ信濃へつづく山河澄み     飯田蛇笏

 私のイメージでは、いかにも飯田蛇笏らしい句だと思った。甲斐の国に住した飯田蛇笏、甲斐の冬の山河のきりっとした姿が心地よい。

繭玉・餅花

2018年01月10日 20時14分23秒 | 俳句・短歌・詩等関連
 繭玉というのは私が小さい頃によく見た。家の近くの商店やアーケードなどに飾られていた。また友人の家に遊びに行くと部屋の中でも飾っていた。私の記憶している繭玉はお餅ではなく、軽い合成樹脂の玉であった。白や桃色の玉が多かったと記憶している。餅花などともいうらしい。主に東北や関東、中部地方で、農産物の方策と養蚕とが結びついた習俗と説明されるらしい。いわれはいろいろあるだろうが、小正月に飾られたらしい。旧暦の満月の日15日の前後3日程をさす。現在では新暦で15日に固定されているところもあるようだ。
 最近では繭玉はまず見ることはなくなったと思う。それだけ正月の装いが画一化、様式化したということなのだろう。地域ごとの装いもまた消えていく。

★餅花に畳あをあを匂ひけり    加藤楸邨
★繭玉や人の立居に風生まれ    野崎ゆり香
★餅花に入日の絡みつきてをり   波多野爽波
★餅花や暮れてゆく山ひとつづつ  廣瀬町子


 第2句、そういえば繭玉を連ねている細い枝は何だったのだろうか。調べてみると柳や榎の枝となっている。どんな枝だったかは記憶にまったくないのだが、あの緩やかな揺れは印象的であった。いつもゆっくりとゆらゆら揺れていたと思う。
 第3句、この餅花は夕日を浴びているが、家の外か、内かで大いに感覚は異なる。外なら厳しい寒風に晒されおおきく揺れている。そして橙色の夕陽の色でようやく寒さをしのいているような寂しさを感じる。家の内ならば、微かな揺れの中で窓越しの暖かい夕陽が暖かみのあるだんらんを思い出させる。
 第4句もまたいい句だと感じている。第3句と同様に、餅花というごく近景と、暮れてゆく山の極めて遠くの景色の融合が気持ちいい。


ゴッホ展の感想

2018年01月10日 11時25分01秒 | 芸術作品鑑賞・博物館・講座・音楽会等
 まずは展覧会の概要から。

   

 東京都美術館で開催されていたゴッホ展、コンセプトはホームページに次のように記されていた。

 フィンセント・ファン・ゴッホ(1853-1890)は、パリ時代からアルル時代前半にかけて、浮世絵や日本に関する文献を集めるなど、日本に高い関心を寄せていました。一方で、ファン・ゴッホの死後、日本の芸術家や知識人が、この画家に憧れ、墓のあるオーヴェール=シュル=オワーズを巡礼していたことが明らかになりました。本展では、ファン・ゴッホの油彩画やデッサン約40点、同時代の画家の作品や浮世絵など約50点に加え、関連資料を通して、ファン・ゴッホと日本の相互関係を探り、その新たな魅力を紹介します。

 さらに見どころとして次の点を挙げていた。

○見どころ
1.日本初!ファン・ゴッホ美術館との本格的国際共同プロジェクト
本展覧会は、日本における「ゴッホ展」の中でも初となるオランダのファン・ゴッホ美術館との国際共同プロジェクトで、日本展終了後、ファン・ゴッホ美術館でも開催されます。
2.日本美術がファン・ゴッホに与えた影響をさまざまな角度から検証
ファン・ゴッホは、日本から如何なる影響を受け、如何なるイメージを抱いていたのか。国内外のコレクションから厳選したファン・ゴッホ作品約40点と、同時代の画家の作品や浮世絵など50点あまりによって、その実像を多角的に検証します。
3.日本初公開!ガシェ家に残された3冊の「芳名録」
最初期における日本人のファン・ゴッホ巡礼を、ガシェ家の芳名録に基づいた約80点の豊富な資料によってたどります。日本を夢想したファン・ゴッホ。ファン・ゴッホに憧憬した日本人。交差する夢の軌跡をご覧ください。


 展示は5つの展示室に別れ、それぞれ次のような題がついている。
1.パリ 浮世絵との出逢い
2.アルル 日本の夢
3.深まるジャポニスム
4.自然の中へ 遠ざかる日本の夢
5.日本人のファン・ゴッホ巡礼
 5を除く各展示室では、ゴッホの作品と浮世絵(葛飾北斎、歌川広重、歌川国貞、歌川国芳、渓斎英泉、東洲斎写楽など)が並んでいる。
 ゴッホの作品への影響などがわかるようにということなのであろう。

 混雑していて、とてもじっくりとその場で比較しながら見比べるために行ったり来たりということは出来なかった。解説もゆっくり読める状況ではなかった。展示の概略を見て、後は図録に頼るしかないと判断して、展示会場を一巡した。ゴッホの作品で初めて目にする作品は、人の間から見る努力をしたが、やはり困難であった。
 一巡しての感想は、ゴッホは構図と視点(複数の視点)では浮世絵にかなり影響を受けているが、色彩と筆致についてはゴッホ自身の色彩感にこだわりを示していたように感じた。むろん模写ということも行っている。誰もが指摘しているようにゴッホ独自の画法に取り込んでいる点は、単なる模倣ではないところにあらためて感心。