夕食後に、謡曲「女郎花」(おみなめし)を読んでみた。作者は不明とのことである。先の記事で「おみなえし」を取り上げたときに謡曲「女郎花」があることを知り、新潮日本古典集成「謡曲集上」に収録されている。
ワキが登場して名のりの次の着きゼリフで、津の国山崎にて石清水八幡宮を望みながら「またこれなる野辺に女郎花の今を盛りと咲き乱れて候」と述べる。ワキの僧が女郎花を手折ろうとして花の傍に寄るとシテが登場して「のうのうその花な折り給ひそ 花の色は蒸せる粟のごとし 俗呼ばつて女郎とす 戯れに名を聞いてだに偕老を契るといへり」と述べる。
「花の色は蒸(む)せる粟のごとし」とは実に的確な形容だと思った。俗に女郎花と称し、女郎という名を聞くだけで戯れに共白髪の契りと結ぶ」と述べて、男女の関係の夢幻能の世界に入って行く。
謡曲、ふだんはあまり読むこともなくなった。何かを調べたときに謡曲の紹介があると、読みたくなるのだが、それも年に1度あるかないか。曲自体はページ数にして10ページほどではある。しかし一度にたくさん読めるものではない。
後ジテの登場や、シテの物語の処になるともう、謡曲の世界の夢の中に入り込んで、妻に言わせると寝息となっているのだそうである。これを幾日か繰り返してようやく全体に目を通し終る。
今回は眠らずに全体を読み通すことが出来た。
ワキが登場して名のりの次の着きゼリフで、津の国山崎にて石清水八幡宮を望みながら「またこれなる野辺に女郎花の今を盛りと咲き乱れて候」と述べる。ワキの僧が女郎花を手折ろうとして花の傍に寄るとシテが登場して「のうのうその花な折り給ひそ 花の色は蒸せる粟のごとし 俗呼ばつて女郎とす 戯れに名を聞いてだに偕老を契るといへり」と述べる。
「花の色は蒸(む)せる粟のごとし」とは実に的確な形容だと思った。俗に女郎花と称し、女郎という名を聞くだけで戯れに共白髪の契りと結ぶ」と述べて、男女の関係の夢幻能の世界に入って行く。
謡曲、ふだんはあまり読むこともなくなった。何かを調べたときに謡曲の紹介があると、読みたくなるのだが、それも年に1度あるかないか。曲自体はページ数にして10ページほどではある。しかし一度にたくさん読めるものではない。
後ジテの登場や、シテの物語の処になるともう、謡曲の世界の夢の中に入り込んで、妻に言わせると寝息となっているのだそうである。これを幾日か繰り返してようやく全体に目を通し終る。
今回は眠らずに全体を読み通すことが出来た。