横浜美術館の「駒井哲郎展-煌めく紙上の宇宙」は残念ながら時間が許さず本日は断念。18時までだったので見ることはできたが、待ち合わせ時間に間に合わず、図録だけを購入してきた。こちらの図録も2800円と財布に優しくなかった。
まだルーベンス展の感想が仕上がっていないので、宿題を貯めると消化しきれないのだが、会期が終わってしまっては、どうしようもない。
同時に開催している「横浜美術館コレクション展「モネ それからの100年展に寄せて 」「幻想へのいざない 駒井哲郎展をきっかけに」」もまた、必見のようだ。このコレクション展も12月16日までである。
帰りがけに美術館の前から南の空に三日月がのぼっていたのが見えた。
2013年3月から4月にかけてBunkamuraザ・ミュージアムで開催された「ルーベンス 栄光のアントワープ工房と原点のイタリア」以来のルーベンス展である。5年半だからつい最近、ということでもある。それだけ人気が高いということであろう。
両展には「眠る二人の子供」、「髭をはやした男の頭部」が共通していた。また「キリスト哀悼」は前回の展示で「質の劣る工房作」とされたリヒテンシュタイン・コレクションのものが今回展示されていた。両者を比べると確かに今回展示の作品はキリスト以外が類型的である嫌いはあるものの、クローズアップされた構図で、教会などの展示用にも見えた。
全開の「復活するキリスト」(1616)と今回の「死と罪に勝利するキリスト」(1615-22)は、異様に筋骨隆々として精力的なキリストの造形という共通点に興味が惹かれた。
いづれにしろ、両展の図録をじっくりと読み比べてみたいものである。
今回の展示は展示室は7つに分かれ、
1.ルーベンスの世界
2.過去の伝統
3.英雄としての聖人たち-宗教とバロック
4.神話の力1-ヘラクレスと男性ヌード
5.神話の力2-ヴィーナスと女性ヌード
6.絵筆の熱狂
7.寓意と寓意的説話
という流れになっている。
先日も記載したが、アントウェルペン(アントワープ)聖母大聖堂内の「キリスト昇架」、「キリスト降架」、「聖母被昇天」の状況がわかるビデオが放映されていたのは嬉しかった。
今回の展示で印象に残った作品をあらためて記すと、「聖ゲオルギウスと龍」(1601-02)、「キリスト哀悼」(1601-02)、「キリスト哀悼」(1612)、「エリクトニオスを発見するケクロプスの娘たち」(1615-16)、「セネカの死」(1615-16)、「クララ・セレーナ・ルーベンスの肖像」(1615-16)、「死と罪に修理するキリスト」(1615-22)、「法悦のマグダラのマリア」(1625-28)、「聖アンデレの殉教」(1638-39)、「マルスとレア・シルウィア」(1616-17)を本日はあげておきたい。
図録を読み進めば、また変わるかもしれない。