Fsの独り言・つぶやき

1951年生。2012年3月定年、仕事を退く。俳句、写真、美術館巡り、クラシック音楽等自由気儘に綴る。労組退職者会役員。

「図書12月号」から 1

2018年11月29日 23時33分05秒 | 読書


★彷徨い続ける船             司 修
 「親しい画家が、まさに天才的画風を表わしていた時期に、‥箱庭療法、絵画療法をする病院へ入院しました。自分を見失った患者の描いた絵が病院の廊下に張り出されていました。それは児童画に近い素朴な個性を表して芸術的作為のない幻想的な絵ばかりでした。その中に友人の絵もありました。どうしたことか、彼の絵は平凡なものでした。画家である友人の絵が治療として描かれた時平凡であることと、狂気に動かされて天才的な画風を保っていることは、わたしに不思議な思いを残しました。」

★「トランプ」と『リチャード三世』    吉見俊哉
 「『トランプのアメリカに住む』(岩波新書)‥献辞に使ったのが、シェークスピアの『リチャード三世』第1幕第1場のセリフである。‥坪内逍遥から福田恆存、小田島雄志、近年の松岡和子や河合祥一郎までの訳文を比較した‥。それぞれ翻訳時の時代状況や発声法、演劇観の変化が如実に反映されている。坪内訳が歌舞伎の世界を内在された名訳‥、使用した大山俊一訳が政治運動の盛んだった時代を感じさせる一方、小田島役は徹底した口語の世界で文化の時代への変化が生じている。」

★夕陽妄語                ソーニャ・カトー
 「加藤周一。世界中の多くの人びとにとって彼は先生であり模範であった。私にとってもそうであったが、しかし何よりもまず自分の父であった。‥加藤周一が亡くなって10年経った今、一人の人間として彼を思い出したい。知識に溢れ、それを伝えようとし、人びととそれぞれの考えに対する愛に溢れ、好奇心に溢れ、そして平和への検診にあふれた人だった、と。」

★豆本作家、松平定信           一戸 渉

★アンジェリーナ・ジョリーという名の羊  新井 満


「駒井哲郎」展 概要

2018年11月29日 20時33分50秒 | 芸術作品鑑賞・博物館・講座・音楽会等
 先々週11日(日)に「駒井哲郎 煌めく紙上の宇宙」展を見てきた。感想は後日にしてまずは、ホームページに記された概要は以下のとおり。



《展覧会概要》
 日本における現代銅版画の先駆者(パイオニア)である駒井哲郎(1920-1976)は、深淵な詩的世界が刻まれた版画により、国内外で高く評価されてきました。黒いインクと白い紙の豊かな表情のなかに立ち上がる、夢と狂気のあわいを彷徨う駒井の宇宙。それは、デジタル時代の今こそ観る者を魅了します。
駒井は銅版画を追求した一方、詩人や音楽家と交流し、総合芸術グループ「実験工房」での活動や詩画集の出版などで、文学や音楽との領域横断的な表現を試みました。またルドンをはじめ西洋画家たちへの敬愛も、駒井の芸術観の形成に深く関わっています。
 本展では、初期から晩年までの駒井作品の展開を縦糸に、芸術家たちとの交流や影響関係を横糸とすることで、多面的な駒井の姿を捉えなおし、その作品の新たな魅力に迫ります。色彩家としての知られざる一面も、福原義春氏のコレクション(世田谷美術館蔵)を核とした色鮮やかなカラーモノタイプ(1点摺りの版画)によってご紹介します。駒井の版画作品や詩画集など計約210点とともに、関連作家作品約70点を展示し、さまざまなジャンルとの有機的な繋がりにより紡ぎ出された、豊穣な世界をご覧いただきます。

《見どころ》
1.腐蝕の魔術師、駒井の幅広い表現を一望
 銅版画と一口に言っても、その技法はさまざまです。駒井は多彩な銅版技法を駆使し、微妙な諧調の面と鋭い線、緻密な描写と幻想的な抽象形態、ストイックなモノクロームと色彩あふれる画面など、一見相反するような作風を同時並行で追求しながら、幅広い表現を生み出しました。他に追随を許さない駒井独自の腐蝕(ふしょく)により生み出された、紙の上に匂い立つような豊かな表情。それは、デジタル時代を迎えた今だからこそ、私たちの心を揺さぶります。
本展では、日本における現代銅版画のパイオニアである駒井作品の展開を初期から晩年まで6章構成でたどります。

2.美術・音楽・文学の交差点
 駒井は1950年代にインターメディアな前衛芸術集団「実験工房」に参加し、作曲家・湯浅譲二との共同制作によるオートスライドや、立体オブジェの制作を行っていました。また、50年代後半から大岡信や安東次男(あんどうつぐお)ら、多くの詩人たちと、詩画集の制作や詩集の装幀などのコラボレーションを実現しました。
本展は、駒井のジャンルを超えた表現に着目し、文学や音楽との領域横断的な特質を持つ、駒井芸術の魅力にも迫ります。

3.美術評論家としての横顔、そして西洋美術と駒井作品の競演
 駒井は、銅版画はもちろん、西洋美術史の幅広い知識を持っていました。ルドンをはじめ、クレーやミロなど西洋画家たちの作品が駒井の創作へ与えた影響も少なくありません。また彼は、そうした敬愛する芸術家たちについての評論を美術雑誌などへ数多く寄稿しており、そこからは駒井自身の芸術観を読み取ることができます。
本展では、駒井の文章を紐解きながら、駒井が敬愛した西洋画家たちの作品と、駒井作品を包括的に並べる初の試みです。


      

血圧の測定

2018年11月29日 10時55分47秒 | 日記風&ささやかな思索・批評
 20日から高血圧の薬を服用しなくなって9日が過ぎた。一日おきくらいに血圧を自宅ではかっている。最高血圧が120~133位、最低血圧が80~85である。問題はない範囲と思われる。通っている医師から、自分で測ってみて大きな変化はあるか、と時々聞かれた。来月もう一度診察を受けて、この数値を報告する予定。

 だいたい毎回4~5回続けて測定する。すると最高血圧がはじめは130前後、次第に下がってきて120位まで下がる。最低血圧は80~85の範囲で上がったり下がったりを繰り返す。
 ときどきフラッとする時がある。そんな時にすぐに測ってみたいのだが、傍に血圧計があったためしがない。そんな折には帰宅後に測ると大体が最高血圧が120くらい、最低血圧が85くらいである。しかし極端な計測値が表示されない限り、測定値に一喜一憂しても意味がないと思っている。
 夏冬の季節変化、腕の左右の違いなどを細かく気に掛けることはないと聞いている。いづれも数値にして5前後の差と効いている。

 それよりは測定器の差の方が問題が多いと思われる。