
本日「図書2月号」到着。本日目をとおしたのは、以下のとおり。いつものように覚書とて書きだしてみた。
・表紙:ゴッホの手紙 司 修
「『日本の芸術家たちがお互い同士で作品を交換したことに、僕は前から感心していた。それはお互いに愛し合い助け合っていたしるしだ、彼らの間にはある種の融和があった違いない。きっと情誼に厚い生活で、もちろん、陰謀もないだろう』。私は、日本人もずいぶん変わってしまったと独り言をいいました。」
・不忍池を体感すること 鈴木健一
「その土地についてどんなに知識を持っていても、その場に立ってみないとわからないことがある。風の匂いとか、水のせせらぎとか、名物の味とか、五感を通してのみ得ることができる、その土地の雰囲気としかいいようのないものがあるのである。」
・ニューヨークの南方熊楠 松居竜五
・大流行による惨劇から100年 ペイン・インフルエンザ 田代眞人
「(スペイン・インフルエンザにより)膠着状態に陥った世界大戦の最終局面で両陣営の戦力は激減し、パリに迫る西部戦線では、ロシア戦線から戦力を転用したドイツ軍の最終突撃は中止された。それがドイツ降伏の原因ともいわれる。‥スペイン・インフルエンザのの結果、労働力人口不足で戦後の経済復興が遅れ、厖大な賠償金でドイツ経済は破綻し、世界はその後の大恐慌を克服できずに不安定化し、ファシズムの台頭と第二次世界大戦への伏線が敷かれた‥」
「日本でも1918-20年に甚大な健康被害(当時の人口5500萬人のうち45萬人が死亡)と市民生活・社会機能に大きな影響が生じたが、その実態が解明されないまま記憶が薄れている。‥国民の士気を削ぐような健康被害と社会的影響は過小評価され、関東大震災の強烈な記憶の陰で、その5倍もの死者を出したスペイン・インフルエンザの惨劇は忘れ去られた。
「日本がスペイン・インフルエンザからほとんど何も学んでこなかったことを教訓として、その実態をかいめいし、今後必ず起こるパンデミックの災厄を「減殺」するための事前準備と緊急退恵右の確立を‥」
・崖葬墓文化の起源を探る 片桐千亜紀
「独特なのは墓の形だけではない。墓がある「場所」と、外見からは決して知ることができない墓の中での「葬り方」にこそ、沖縄が伝統的に営んできた独特の世界があるのだ。」
「岩陰や洞穴を墓とし、遺骨を風葬して骨化させ、そのまま地上に安置させる葬墓制を「崖葬墓(がいそうぼ)文化」と呼んでおり、民俗学的にはもっと複雑な葬送行為をも含め、それらが行われた墓のことを風葬墓と呼ぶ」
「沖縄は東南アジアに広がる崖葬墓文化の北縁にあたるのではないかと考えている。」
「石垣島の洞穴から約二万年前に遡る旧石器時代の人骨が発見され、‥日本最古の人骨として話題となった。‥白保竿根田原(しらほさおねたばる)洞穴遺跡と名づけられた‥。その人骨は明らかに‥風葬されたと解釈できるものである。沖縄の崖葬墓文化は旧石器時代まで遡る可能性が出てきたのだ。果たしてそんなことがありえるのだろうか。研究は続く。」