毎日のように横浜駅地下の書店をのぞいている。単行本は高価なのでたいがいは文庫・新書のコーナーと離れてはいるけれど美術書のコーナーを必ず回る。新刊の情報を仕入れ、立ち読みに徹している。書店には申し訳ないが、購入するときは神奈川大学の生協におもむいて、会員特典を利用して1割引きを利用させてもらっている。生協の店頭になくても一週間もしないうちに取寄せてくれる。
本日は横浜駅の書店の新書コーナーで黒井千次の「老いのかたち」(中公新書)を手に取ってみた。読売新聞に月1回連載しているエッセイをまとめたもの。続編として「老いの味わい」「老いのゆくえ」も出ている。
最初のエッセイは「父という時計」という題。父親の年齢と自分の年齢を重ね合わせて「老い」を語るところから始めている。なかなかいい着眼で、わたしもかねてからそんなことを日々思っていた。引き込まれるようにして定価でこの一冊を購入した。
全体をとおして読んではいないので、わたしなりの評価はまでできないが、おおいに惹かれている。実は、黒井千次という作家の名前は知っているが、作品を読んだことがない。今回立ち読みをして、1932(S7)年生まれということを知った。2005年というから73歳ころからこの連載を開始している。
文章は私には読みやすく、いい文章だと思った。視点にも惹かれている。今読んでいる「ゴヤⅣ」と併行する読書として紐解くことにした。
「ゴヤⅣ」も早くまとめたい。急ぎで済ませた本の処分も一段落したし、手術も終わったことでもあり、徐々に読書のスピードをあげたいものである。