本日帰る途中で横浜駅地下の有隣堂でいつものように新刊本などをながめていた。急に小説を久しぶりに読みたくなった。
中公文庫から吉田健一の初期短編集「酒宴/残光」と、講談社文庫から古井由吉の晩年の作品集「この道」の2冊が新刊コーナーに並んでいた。どちらも惹かれた。両方ともに表紙も良かった。
吉田健一の小説はこれまで読んだことがなかったので、かなり惹かれた。しかし古井由吉の作品集は「老いに身を任せた不可思議な感覚を精緻に‥」という帯の文章の吸引力の方が強かった。
1970年代の後半に「杳子」「妻隠」など4~5冊の単行本を購入して読み始めたが、最初の2冊で続けられなくなったことがある。文章が濃密で文章の意味を追うことだけでとても疲れ、断念した。
この苦手意識があり、手に取ってからカウンターに行くまで少し躊躇したものの、思い切って購入。身体の老いとどのように向かい合おうとしたのか、この文章に惹かれた。
表紙は吉原治良の「白い円」。
バスの中で2頁ほどを読んだが、文章は濃密でかつ難しい。特に一つの文章の中に、主人公と語り手(あるいは作者)のふたつの視点が混在している。学校の作文では教師から指導を受ける文章である。この文章の魅力に取りつかれると抜け出せなくなるのかもしれない。しかしとっつきにくいことは確かだ。
中西進の「万葉のことばと四季」と同時並行で読めるか、自信はないが挑戦してみることにした。
本日は花冷えの中、石川町駅傍の税理士事務所を訪れ、相談事。帰り際に組合事務所に寄り若干の用事を済ませ、さらに中華街まで足を延ばした。我が家の備蓄が残り少なくなったウーロン茶を購入。いつもの安いウーロン茶で200グラム590円(税込み)。このウーロン茶を私一人で飲んでしまう。我が家では、ほぼ私の専用のお茶である。
中華街を通るのは久しぶりであった。石川町駅側からみなとみらい線の元町中華街駅まで通り抜けた。平日の割には、中華街はずいぶん人通りが多かった。コロナ禍の規制が解除されたことにもよるのであろうか。しかしまだ閉店中の店も目につく。完全復活はまだ先になりそう。
中華街では、占いの店がことのほか目立つようになった。いつのころからだろうか。そして日本人はどうしてこんなに占いに凝るのだろう。いつも不思議に思う。
立ち寄ったところの周囲にはいたるところソメイヨシノが見頃を迎えている。ただし昨日の状態のまま本日の寒さに耐えている様子である。
今晩は雨の予報である。明日は気温が上がるようだが、曇りの予報。