話題性のある映画だけど、大阪ではひっそりと上映しているという感じです。広報もあまりしていなく、シネマートというどちらかというと韓流映画館での上映なので気をつけていないと見逃した映画です。
で、映画はというとそれほどアート映画ではないんですな。モノクロでオーソドックス。映像も特に大胆でもなく、これが撮影賞を撮った映画かのう、と思っていたら、さすがキュアリオン、見せ場を何か所かに集中させ、その場面ではス、すごいですなあ。
50年ほど前の設定のなので、吾輩にはとても懐かしい匂い、空気を感じる映画でした。内容も女性を主体とするストーリーなので、女性には受けるでしょう。こんな、主人公のお手伝いさんを使用できる家庭とはかなりの上流家庭なんだろうけど、古き良き日本にもその面影をたどることはできる。
日本とメキシコとは地球の裏側に近く全く関係のない国みたいだけど、大地震然り、東京オリンピックの後はメキシコだったことも覚えており、オリンピック前に市民がかなり殺されたニュースはショックだった。オリンピックも不可能かと思われていたんだが、無理やり踏み切ったんだね。だからこの映画での出来事も割と記憶にあり、その意味でも親近感はあった。
キュアロンが素直に映画で自分の国史を辿ったような映画でしたね。そのタッチも自然で、優しさにあふれ、しかし荒々しいタッチを見せ場にするなど、映画ファンとしては見逃せない映画となった。
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