井上ひさしの代表作、これが見たかったんだ。けれども今回の劇団はシニアで構成されている。だから一葉も当然老齢女優が演じることになる。これが一番気になったが、、。
出演者は全員女性。彼女たちに関係する男性たちはセリフで表現されるだけ。でもそれがなかなか良かった。令和になった今からはずいぶん大昔に思える明治をしっかりと見据えている素晴らしい脚本。ユーモアが底流に流れているので全体的に舞台は明るい。そこがまたいい。
随分と幽霊が出現する劇で、井上の死生観も現れている。でも何だか楽しそう。そんな井上のやさしさと明るさが一葉の人生を突き抜けさせている。
一葉を演じているのは吉田千絵さんだが、常に微笑み、カラーも明るい。この一葉は絶品だ。年齢なんかそのうち気にならなくなった。
儲け役は花蛍役だろうが、笑わせてくれる。彼女を通して、人の営みは連鎖していることがわかる。淡々とした人生論。いいね。
2時間半。演出もいいんんだろうが、やはり井上の脚本がすこぶるいい。劇はやはりホンからですね。シニアの俳優さんが多いので、ところどころ舞台の横袖からセリフの応援音声が入り、最初戸惑ったが、やはりこれもシニアという制限からは仕方がないことなのだろう。
平均年齢どのぐらいか分からないが、この2時間半のドラマをセリフでぎっしり朗々と歌い上げた彼女たちに拍手だ。
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