
冒頭からの10分間は、何がなんだか分からない怖い想念さえ覚える連続で、僻地の因習性を感じるちょっと強めのイントロでした。
ここでエネルギーを使っちゃったのかな、それからはもうどうしようもない絶対的悪人の父と、因習に染まる村でイカレ風の母親に盲愛され育った息子との葛藤が語られます。
いい年してこんないびつな村さえ出ようとしないでしがみついている息子と、悪の権化と思しき父親との雪解けなんて僕は全く期待していないのに、物語はそう進んで行く。まあ、それもラストに棺桶ならぬ浴槽での二人の和解シーンを用意する。
この映画で面白いと思ったのは二人が神父の企みでお互いを知らず一緒に共同生活をする場面です。このシーンをメインに時間軸を変え、映像を繋げていけば面白い作品になったように思いますが、それもすぐ終わってしまう。なんともったいない。
ラストの和解シーンも少々意外性を帯びているように思えたので、それほど感動的でもなく、なかなかユニークで秀逸な映像でしたが、盛り上がるものはなかったかのように思います。
映画館を出てから思ったんだけど、父親の脳裏に蓄積する光と影のようなものは必要なかったんでしょうか、、。息子はそれを感じて初めて和解できると思うのですが、、。
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