ピンクとグレー (2016/日)(行定勲) 70点

アイドル映画の体裁の映画だが、行定のこと、菅田もいるし、見せてくれるのではないかという期待のもと、映画館に馳せ参じました。

前半はでも少々甘ったるい展開で、やはり対象層を意識しているのでは、とも思いましたが、例の「カット」以降、脳裏が困惑し、しばらくはしっかりと映像を見ることに徹することができませんでした。映像を見ながらも一方の脳裏がこれはと、考えているのです。

何かスマホでバックグラウンド自動アプリが動いているような感覚です。その間10分ほど。これは長い。ただ僕の頭が悪いだけかもしれないが、映画のトリックで（こんな表現はいいとは思いませんが）こんなに集中力を欠いてしまうのもひょっとしたら初めてのことかもしれません。

ということでこの映画に関しては通常の映画のような語りを出来ないことに気づいています。このトリックを除けば大したストーリーではないので、何か心に残る映画でもありません。ラスト近くでは河田が白木から真相を聞かされ、馬鹿馬鹿しくなる仕草も感じられ、少々鼻白みます。

まあ、1時間近くもあれを見させられた観客はみんなどう思ってるんでしょうか。数ある映画の中、1本ぐらいこういうトリック映画も悪くないとは思いますが、この映画、このトリックを除けば、本当に他に何も語らっていないのです。（と、僕は思っています。）

ただ、菅田の演技はやはり及第点でしょう。客席は平日だったからか、閑散としていました。