舞台設定が民間一戸建ての敷地内からあまり動かなく、また冒頭の、ある勘違いから始まる空騒ぎもいわゆるよくある完全舞台劇展開である。これが最後まで気になり窮屈感が終始漂った。
知恵遅れの人たちの完璧とも言える演技も演劇的であり、それを映画としての映像を通して見ると、どうしてもリアリティ面から虚実っぽく見えてしまう。舞台劇をそのまま映画にしてそれほど面白い作品ではないので、この作品のテーマが拡散されてしまったように思うのだ。
ラスト近く、さすがちょっと引き気味だった僕も、いっぽんの遺作マンガには涙したが、じゃあ弱者は死ぬしかないのかよ、とか不遜な気分にもなっている自分を感じる。そう、強さがこの映画にはないのだ。社会的テーマは薄まり、問いかけは多少あってもそこですっぽ抜け状態ではないのか。
観客を号泣させるだけが映画の目的ではないだろうに、、。(ちょっときついかな)
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