ベルリン最高賞受賞作。カンヌ、ベルリンと最近の受賞作は期待を裏切るものが多い中、本作はまあまあかなあ。女性監督だからか、実に繊細で流麗な映像に見るべきものが多い。
冒頭は肉牛の処理シーンから始まる。運命を予期しているのか、小さな窓から見える空を肉牛が寂しそうに眺めている。そしてが画面が変わり、雄鹿と女鹿が原野にいる。これが何かそのうち分かってくる。特に難しい映画ではない。
男は左腕が機能不全。女が幼児から精神治療を受けている。そんな二人は年齢も離れているが、不思議な関係を築きながら現代では踏み込むことのできないような純粋な愛の境地に達するのである。
女が男と同じ左腕を怪我して初めてこの二人は同化することになる。ちょっと理屈っぽい。女性映画です。
後半はロマンチックコメディに変身してくるので、見ていて楽しむ気持ちも出て来る。芸術映画風だが、根はコメディである。
でもねえ、2人が結びついてから夢を見なくなったというのはどうなのかなあ、、。人間は夢を常に見ているが、覚えているかどうかだけの違いらしいのだ。ということは、愛の成就により、夢における人生彷徨が消滅したということなのだろう。
実に単純ですな。だから僕はこの映画をラブコメであると宣言しよう。
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