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紀子の食卓(2005)(園子温 )

2006-10-07 19:07:19 | 映画遍歴
最初軽い青春ものかなと思って見ていたら、どんどん急速度で現代の家族のあり方についてメスを入れる展開に、かなり戸惑いつつも、画面からの求引力に見入ってしまうエネルギーに驚く。
この映画はある意味現代のホラーなんでしょうね。新宿の集団自殺のシーンは悪夢だと済まされないっ衝撃が残る。
レンタル家族というシチュエーションは新しくもないが、この映画のそれへの深刻さは人間の存在の深遠に達するほど色濃く僕たちの心に宿る。救いのないストーリーではあるが、すなわちそれが現代の家族の生の姿なのであろう。
小説的なモノローグの多用な取り入れや現実と悪夢との接点の溶解といい、想像以上に面白く、今年の日本映画の収穫作といえる。渾身の一作だ。
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