自然体である男の恋愛日記を綴った映画と言えばいいのだろうか、古くは『トリュフォーの恋愛日記』という気まぐれ風の作品もあったが、本作もある意味気まぐれ、退屈しのぎ風日記、とも言えるし、見た後不可解な男の気持ちに余韻が残る不思議な映画である。
まあ、男は一度狙った獲物をつかめればまた次の獲物に行く、そもそも花から花へと渡り歩く虫のような存在なのではあるが、この映画の監督は女性なのである。だからそれほど男の生理は分かってはいないとは思うが、単純にただ愚かしい男の漁人日記とも言えない何かがこの映画にはある。
新婚旅行の漫画チックな二人の行動がまさにそうで、そこにはホンワカムードを超えた人類学的考察も見られるし、どうもこの監督には人間の行動を頭でしゃにむに解剖する性癖があるようだ。確かにタッチは【ホン・サンス】風であり、次回も楽しみな作品である。
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