まあよくある少女テロリストものと言ってしまえばそれまでだが、監督が【ジョー・ライト】だけに一味違ったほろりと苦い快作となった。
そして主役は若き演技派【シアーシャ・ローナン】 である。布陣も【ケイト】を始め演技派をそろえている。これだけのスタッフ、どんな作品になるのかなと興味つかなかったが、さすが【ジョー・ライト】、そこらのサスペンス映画にはしていない。
まず、フィンランドの地球の奥深い秘境での修業場からカメラはフェードインし、CIAとか人体実験だの、まるで731ばりの黒い闇を深淵に横たえたCIAと生き残り犠牲者とのあくなき闘いが始まる。
ストーリー自体は目新しいものでもないが、映像が全体に冷ややかで引き締まっていること、そして音響が耳に違和感を与えるほど強く、心地よいというものではないが観客に十分プレッシャーを与える切迫感を与えていることが特徴。最近この手の映画が多いかな。(結構好き)
最近役柄が中途半端な【ケイト】、儲け役の【エリック・バナ】、悪者に徹するキモイ【トム・ホランダー】が目を見張る演技で作品を最後まで持たせてくれる。そう、この映画は最高の布陣で臨んだ秀作になることを求められた作品なのだ。そしてそれは【シアーシャ・ローナン】のまたもや的確な演技で総合的に達成することになる。
ちょっと不満に思ったのは父娘の二人がピストルを所持していないので簡単にやられちゃうこと。(エリックとケイトとの対決はありゃあ何だったの?シアーシャは冒頭の矢が最後に生きてくるが、、)そして本当にキモク怖かった【トム・ホランダー】も簡単にやられちゃうこと(え、嘘!)。通常のサスペンスではないことは分かってはいても、やはりアクション上のメリハリは必要ではないのか。
とか言ってますが、結構楽しめました。映画料金惜しくないですぞ。
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