ポーランドから久々の秀作。なりすました牧師に心を奪われる人々。しかし、その人たちは村社会という閉塞的で敵意むき出しの状況下にあった、というある意味、不条理な設定で人間の本質を問う問題作であります。
映像は静謐で美しい。その奥から人間の遠吠えが聞こえて来るかとまごうぐらい迫力があります。相当信念をもってこの映画を製作したのが分かる。
ポーランドのカトリックって、ついこの前まで30年近くローマ法王を務めていたヨハネ・パウロ二世という人がいましたが、そういうお国柄ではとても考えられない設定です。既成の聖職者より偽物の牧師の方が信徒が心を開くというのだから、、。
また一方、閉鎖的な村社会そのものの奥底に渦巻く人間の弱さがキリスト教社会に対応するアンチテーマとして提示されている。
まあ、よくできた映画だけど、でも並々ならぬエネルギーを全編感じます。そこがこの作品の魅力だと思います。主人公の並々ならぬ造形ぶりは異端を超えて圧巻でした。
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