この映画がテレビドラマだったことも知らない僕が、この映画を見て、正直なかなかイケる、と思ったほど新鮮でした。原作がコミックであることは何となく分かってはきたが、でも超真面目教育論だったり、妄想スケベ脳内だったり、生徒たちが実際とは違ってはいても、そんなの全然気にならないほど武富健治ワールドは健在でした。
先生たちの本音が語られるタバコ部屋がいいねえ。屋根裏なんだろう斜め屋根で窮屈で煙がモウモウだが、でもそこでこそ人間の本音が吐露される。人を教えると言ったおこごましいことをやろうとしている人間は、この映画を見て十分学び反省しなければならない。
それほど教育(人と人との触れ合い)論の神髄がこの映画のあちらこちらで語られる。生徒たちのつぶやきでさえ実はかなりこの映画では重要だ。
実際の現実では学校ではもっとひどい修羅場が待っているんだろうけれど、でも、人に対峙するという重要な使命を帯びている先生方はこの映画を見て、ちょっとでもいいから先生になろうと思った出発点に戻って欲しい。どんな子供でも一対一の関係を望んでいるんだよ。全員を見て欲しい。
生徒たちも勿論全員いいけれど、先生たちを演じた俳優陣が優れているネ。特にあの屋根裏部屋に入り浸りの3人組の片割れ、でんでん 、赤堀雅秋 が優れている。でんでんは相変わらず達者で当たり前だけれど、赤堀は久々にいい役をもらったね。地味だけれど引き立った。
そして、ああ、あの、富田靖子様がまさかこんな役で出るとは思わなかったもので、少々ショックを隠したまま画面を見ていたが、最後は救われた。でもこの役を選んだ彼女の勇気に拍手を送りたい。
僕は初めてとなる主役の先生長谷川博己。なるほど女性が気になる男優ではあるなあ。あの、眼鏡はなかなかよろしい。本筋の方へ行かない方が彼の場合はいいと思うよ。(やっかみでは決してありません)彼はなかなか演技派でもあるのだ。
と、こんなまともに描けば敬遠される題材を見事娯楽にして映画化したスタッフたちにまず感謝したい。映画的にも随分垢ぬけた作品となっています。
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