先日アンゲロプロスが亡くなって今や映画作家と呼べる人がほとんどいないと一人嘆いていた吾輩であるが、レネはまだ生きていたんですね。で、公開を知り即映画館へ。レネといいオリヴェイラといい相変わらずの老人たちの傍若無人ぶりはスゴイです。
フランス映画。レネの新作。めくるめく愛。と言えばもうそれだけで絵になりますよね。ワクワクしますよね。でも、そんな観客の心理の十分熟知するこの吾人は冒頭から100メートル走一気の映像を見せる。さすがレネだわ。うんうん、若い。いい映像だ。感心する。めくるめく女と男の出会いをこの10分間で見せたレネはやはり健在だと言わざるを得ない。
でも如何せん僕は口を出したい。言って悪いけど【サビーヌ・アゼマ】は根岸季衣に見えるし、アンドレ・デュソリエは50歳にはとうてい見えず高齢者風貌である。この二人を見てほとばしる愛を感じる人はいないのではないか。
レネからすると十分恋愛してるお二人なのだが、肉体的思惑に向かって行けない僕は少々、いやかなり退屈であります。せめて僕のお気に入り【アンヌ・コンシニー】がアゼマの代わりに主役だったら2時間釘付で見ていたはず。 レネはいくら自分の女を見せたがろうが、ちょっとは観客の気持ちも考えてほしい、と思うのは僕だけかな?
とか、ぶつぶつつまらないことを吠えていますが、レネぐらいになるともう作りたい映画は完全無欠作ってしまったんでしょう、この映画、余裕いっぱいの遊びの心が入っています。それはオリヴェイラでも言えることなんですが、オリヴェイラの起用する女優はほとんどロリータ気味のせいもあるんでしょうが、映像が艶やかだ。エネルギーが出ます。
そりゃあレネの映画は若い時からずっと拝見しております。見ているときはほとんど睡魔の域に入っておりましたが、それなりに一生懸命見させていただきました。でもねえ、レネっていつもこんなに女優がよくなかったかなあ、、。(例えばアゼマだけでなく、もう一人の【エマニュエル・ドゥヴォス 】ですが、本人も驚く全く意味もない役に出演させたり、、いっけねえ、ここまで書くと私自身の映画生命に傷つくか、、)
でも余裕ですなあ。ただ僕自身、そろそろそんな余裕についていけなくなったのも事実デス。レネが作った映画という前提でこの映画の視点が存在する。それは間違いない。でも本当にそれでいいのか。レネを知らない世代はこの映画をどう見るでしょうか、、。
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