毎年秋になると映画で鑑賞することになる藤沢周平作品。
正直、予告編が感動的だっただけに、本番はどうなんだろう、知らない監督でもあるし、、とうがった見方をしてしまったが、いやあ、見ている間のこの清涼感は日本人であることの自意識を否が応でも感じ取ってしまった。
前半の思春期のあの淡い気持ちが一生の恋心になる過程は素晴らしく、ラブストーリーの本道である。
そんな、亜麻色の人生が藩の思惑により現実にかき消され、父親まで謀反の罪で切腹させられ、息子が父親の亡骸を大八車で引き取りに行かなければならないそのシーン。
これは日本映画でも有数の素晴らしい光景である。屈辱感、悲壮感、諦観、15の息子が厳しい人生の真実を感じるところだ。
疲れ果ててもう坂道になると大八車は引いては、下ってしまう。大切な父親の亡骸をどうしても坂の向こうのわが家に連れて行かなければならない。わらじも脱げ、土ぼこりが立ち、悪戦苦闘する。
そんな時、その越えたい坂の地平線に、愛する少女の姿が見えてくる。
ここで号泣しない人はいないでしょう。
こんな美しい日本人を現代では見ることが出来ようか。
成長してからは男の忍練を描く。
前半ほど叙情的ではないが、それでも木村佳乃をなかなか出さないなど、黒土三男監督、なかなかのテクニシャンである。
ラストの、絶えて絶えて、やっと愛の告白をするシーンでまた号泣。
思いがけないこのラブストーリーにはもう脱帽してしまいました。
藤沢周平の原作の素晴らしさに負うところも多いが、大八車シーンは僕の長い映画生活でも忘れられないシーンとなるだろう。
秀作だ。
****
正直、予告編が感動的だっただけに、本番はどうなんだろう、知らない監督でもあるし、、とうがった見方をしてしまったが、いやあ、見ている間のこの清涼感は日本人であることの自意識を否が応でも感じ取ってしまった。
前半の思春期のあの淡い気持ちが一生の恋心になる過程は素晴らしく、ラブストーリーの本道である。
そんな、亜麻色の人生が藩の思惑により現実にかき消され、父親まで謀反の罪で切腹させられ、息子が父親の亡骸を大八車で引き取りに行かなければならないそのシーン。
これは日本映画でも有数の素晴らしい光景である。屈辱感、悲壮感、諦観、15の息子が厳しい人生の真実を感じるところだ。
疲れ果ててもう坂道になると大八車は引いては、下ってしまう。大切な父親の亡骸をどうしても坂の向こうのわが家に連れて行かなければならない。わらじも脱げ、土ぼこりが立ち、悪戦苦闘する。
そんな時、その越えたい坂の地平線に、愛する少女の姿が見えてくる。
ここで号泣しない人はいないでしょう。
こんな美しい日本人を現代では見ることが出来ようか。
成長してからは男の忍練を描く。
前半ほど叙情的ではないが、それでも木村佳乃をなかなか出さないなど、黒土三男監督、なかなかのテクニシャンである。
ラストの、絶えて絶えて、やっと愛の告白をするシーンでまた号泣。
思いがけないこのラブストーリーにはもう脱帽してしまいました。
藤沢周平の原作の素晴らしさに負うところも多いが、大八車シーンは僕の長い映画生活でも忘れられないシーンとなるだろう。
秀作だ。
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