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天使の眼、野獣の街 (2007/香港)(ヤウ・ナイホイ) 80点

2010-01-15 10:54:59 | 映画遍歴
映画の基本90分に見事サスペンスを収めたその集中力、緊密度に脱帽。これだから映画は見てみないと分からない。

とにかく全篇観客の目をくぎ付けにする。映像から目を離してられないのだ。それほど観客にも集中力を要求する。これぞ映画の醍醐味だ。映画の最大限の魅力である。素晴らしい。

香港警察の内幕ものというのは元々エネルギーに満ちている秀作が多く、いわゆるハリウッドものとは一線を画している。ドロドロした亜熱帯の香港の風土にのみマッチした映像が存在するのだ。

本作は情報部監視課に所属するいわゆる犯罪Gメンのような特異な存在である。電車で乗客の特徴を一瞬に見て記憶しそれを犯罪捜査に使う。そのような訓練をするところから映画は始まる。

警察側にも犯罪者側にも強い仲間意識はある。人間であるからこそなのだ。その描写も的確でうまい。本当に、いい脚本だ。

犯罪者側と警察側とのカメラを交互にうまく噛み合わせ、すこぶるスピーデーで、エンターテイメント十分の秀作がここにある。でも、地味な題名、地味な俳優。埋もれる秀作、他にもあるんだろうなあ。

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