魍魎の匣 (2007/日)(原田眞人) 70点

原作を損なわない台詞の掛け合いの楽しさは十分感じられた。意外と綿密に演出された成果が出ているものと思われるが、各俳優の演技へのこだわりが拍車をかけたものと思う。

さて、映画の方はめくるめく魍魎の世界を現出していたかどうかは疑問ではあるが、そこそこエンターテイメンとして楽しめたのも事実。脚本も丁寧であったし、演出も力量は感じられた。ただ、何と言うか、ラストの匣の城の崩壊シーンはちゃち過ぎるのではないでしょうか、、。テレビドラマでも矮小すぎます。

やはり退屈かも知れないけれど３人の薀蓄をガンガン並べ立ててくれるような遊びは必要だったのではないか、と思う。５０年ほど前に戻るようなマンガ再現シーンを見るよりましかも。やはり、原作の重みがそれでも映画化に際して影響を与えており、見所は十分ある映画になった。