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ブローン・アパート (2008/英)(シャロン・マグアイア) 70点

2011-02-23 14:02:18 | 映画遍歴
イギリス映画らしい実直な映像。ハリウッドでは出せない色調だ。公団アパートと目の前にそびえる高級マンション。仕事と出自のアイデンティティーをいやでも臭わせる。イギリス映画は何か昔の日本映画を彷彿させるところがある、、。

仕事で疲れ切った夫とやんちゃ盛りの息子の子育て。主婦は悶々と生活を続けている。別に日本のそこらの主婦と変わらない、と思う。ところが女は子供を家に置きながら鍵を隣人に預け、そして近くのパブで息抜きをすると言った不埒者でもある。(そうでもないか?)

そしてお決まり通り、ナンパされ高級マンションでセックスをして家に帰る。ちょっと驚くが別に普通の出来事なのかもしれません、、。(こんなもんか!?、、)

そして、たまの休日に夫と息子がサッカーに出かけた後、偶然出くわした高級マンション男と女はまたセックスにふける。どうなってんの?と、面白さ半分、馬鹿馬鹿しさ半分の僕。

ところがたまたま点けていたテレビでサッカースタジアムが爆弾テロで大被害を受けたことを知ってしまう。そこからがこの映画の主題に入るはずなんだが、、。

ところがここからが不思議と盛り上がらない。ビン・ラディンに手紙を書いたり、爆撃犯の子供を追いかけたり、夫の同僚と愛人関係になったり、何か物語が拡散してしまっている感あり。

まず、不倫中に子供を死なせると言った行為に苦しむ間もなく別の男とまたそういう関係になるというのは日本ではフシダラという言葉がピッタシだろう。そのお人が主役なので、感情移入はしにくい映画である。

息子の死は悲しむのは分かってはいても、夫への気持ちはまるっきり出て来ないし(そこまで破綻している風でもなかったが、、)、ラスト、自分が再生してゆくきっかけが新しい命を身ごもったから(一体だれの子供なんじゃ!)、というのも都合がよすぎる感あり。

と、結構主題が今一ぴしっと決まっていないので、仕事中毒を経験している夫族からはちょっとげんなりしてしまう映画でもあります。それにしても、この高級マンションの遊び人風の役柄が何故【ユアン・マクレガー】なんだ?これじゃ、日本での公開が遅れたはずですね。

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