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渇き(2009/韓国)(パク・チャヌク) 65点

2010-03-17 14:56:19 | 映画遍歴
この映画の題名「渇き」とは、もちろんキリスト教での渇きをいう。キリスト教の十字架上の言葉で、単に肉体的な渇きばかりでなく、神への愛、人への愛に背く人類を想っての心の渇きをいうのだそうです。

それを知っていて、こういういわば背徳映画を作ってしまうところに【パク・チャヌク】の意図があることは確かである。そして味付けにヴァンパイアを持ってきた。発想は奇抜で面白いと思ったけれど、肝心の渇きは映画では素通りして行く。やはりヴァンパイアは灰となって消えていくしかないのだ。そこには滅びの美もない。

一応現生の人間を代表して体の動かなくなった母親の眼だけを後半の視点にしているが、その(人間として、或いは神としての)監視もヴァンパイアたちは恐れることをしない。自滅するのみ。何が言いたかったのかなあ、。【チャヌク】好きの僕としても少々持て余してしまった作品です。

ただ、今回は演技はあまり発揮できなかったとはいえ、【ソン・ガンホ】の驚くべき痩せ方に俳優の根性を垣間見ました。【キム・オクビン】はまだまだ小娘かなあ。【シン・ハギュン】の使われ方は自虐的と言おうか、大島の『愛の亡霊』を思い起こす。でも、ちょっとふざけ過ぎかなあ。あのセックスはないよなあ。

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