イタリア映画にしては繊細なタッチで、さりげなく人生の真実を伝える描写はフランス映画っぽいと思った。ただこの題名はいかにも商魂たくましい感じがなきにしも非ず、、。原題は「女ひとり旅」。
どんなリッチそうに見える仕事でも少なくともみんな自分の身を削ってカネを稼いでいる。仕事に上下の差など当然ない。
まず、それを勘違いしている主人公の話なんですなあ。そのうち本当の人生の真実に気づいていくわけですが、、。でもねえ、40にもなってそれに今まで気づかない人間なんて、共感できますか?
ホテル調査員という名の元、本来の自分の仕事の目的さえ見失った主人公に僕は距離感を保ったままだったが、それでも自分の誤りに気づき悪戦苦闘するその心理の綾はさりげない演出でうまいと思う。
妹は普通の結婚をし、幸せそうに見えている。主人公は結婚を(子供を産むことを)もうあきらめているのか、ないものねだりの普通のお嬢さんである。(年は重ねていても) でも彼女の人生もそれはそれで本当の人生なのである。人それぞれ人生を生きているが、人生に価値観の違いなどそもそもないのでないか、と僕は思っている。
そう劇中でもあったように、死はいつ訪れるか分からない。それは動物でも植物でも同じ。人生に意義を見つけようとするのは人間のはかない習性ではないのか。
そんなことを主人公よろしく僕も同調して考えていた。
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