この映画を見て、特に前半面白く、彼らのセリフを理解するのに苦労するも、まあ少し分かると知るや、にやにやしながらこの映画を見続ける。
そしてそのうち現実が二人をうちのめしてゆく。この現実とは何か。それはお金と生活だ。二人はそのため就職して自分を売る。労働力を売る。これに耐えかねて自殺する青年もいるが、人は朝起きたら金が要ると言われる。仕方なく金を稼ぐ生業を得なければならなくなる。二人のすれ違いはここから始まる。
いや、すれ違いではない。彼らが瞬時楽しかったのは、青春してたからだ。そこには夢があったから。相手を知ることの喜びがあったから。
この映画、最後まで見ると一つ分かったことがある。それは「僕も花束みたいな恋をしてたんだ」ということ。最後の友人の結婚式後の彼らの5年間の総括は、ひょっとして僕もこの映画の二人と一緒だと気づく。お互いを知りたくて、文学、詩、映画を深く語りあったこと。
でもその時間は結婚生活を通して崩れ去り、空の生活だけが続いているようだ。そう、映画の中で男が言ってたように、普通の夫婦はそれでそうやってうまく生活を続けている、、。
そんな苦い思いを見せつけてくれる映画です。何ら今まで見てきた恋愛映画と遜色がない傑作であります。
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