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シャッターアイランド (2010/米)(マーティン・スコセッシ) 70点

2010-04-22 13:08:27 | 映画遍歴
小説では自由な描き方も、映画となれば映像で説明して行くわけであるから、多少の禁じ手は必要ではないか、と私は個人的に思っている。

ネタバレです。






『シックスセンス』がどうしてもこの映画の場合連想されるが、見事騙された僕からすれば、主人公から見た映像をそのまま追っているだけだからセーフだと思える。しかし本作は真実の実映像と主人公の脳裏の映像との隔たりが明確でなく、これは観客を騙すトリックでありアンフェアでないか、と思われた。

一人の男の治療のために病院全体で画策するなんて言うことがあり得るかどうかは置いといて、電線まで切断してしまう必要があったのだろうか。ちょっとやり過ぎではないだろうか、とも思う。

また、愛妻の病気と同じ病を得てしまう夫というのもいくらなんでも蓋然性は低くはないか、と思ってしまうのである。だから僕は3人の子供を殺害したのも実は夫だったのではないか、というラストを期待していたのだが、それは裏切られることになる、、。

後で考えるといろいろ確かに伏線は用意してあったように思うが、僕は素直な性格が災いして、それほど真実に気付かなかった。しかし、失踪していた患者が戻り、もう用はないはずなのに、まだ島から離れない主人公に初めて疑念を思えてから、この映画のトリックは分かってしまう。(遅すぎますね。)

映像、音響、そして思わせぶりな病院関係者たち、【スコセッシ】の演出ぶりは見事の一言だが、我々に見せてくれる映像のほとんどが精神病患者の脳裏の映像なんです、なんてそんな映画作りが許されるのだろうか、、。(『シックスセンス』はあくまで主人公から見た映像だけで通していた。)

【スコセッシ】だからこそ私が考える映画の禁じ手に悪魔の手を染めないで欲しかった、と思うのはいけないことなのかな?

【レオナルド・ディカプリオ】については、まだまだ若いし、華のある稀有なその才能を、演技派という窮屈な範疇に囚われないで、もっとのびのびと他者の作品にも出て欲しいと思う。 まだ若いんだからいろんな役に挑戦してほしい。

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