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悪魔を見た (2010/韓国)(キム・ジウン) 80点

2011-03-13 14:53:59 | 映画遍歴
残虐に身内を殺された遺族はただ加害者の死刑を待つだけなのか、といった親近感のあるテーマを韓国映画がバイオレンスとサスペンス、そして名優二人のガップリヨツの熱演で2時間強飽きさせず、まさに手に汗を握る展開でエンターテインメントの王道を走る。

この映画の悪魔は、女は犯し、男は即殺す。そして何の贖罪もなくバラバラに切り捨てる。そんな殺人鬼は実際存在するのだとこの映画は世に問う。そう、いると思う。その現代版悪魔は『チェイサー』のような異常者ではなく、ただそこらにいる本物の悪党だ。そんな悪魔を【チェ・ミンシク】が思い切り飛んで、自由に、爽快に演技している。

対して婚約者を殺されたKCIA(でいいのかな)職員の【イ・ビョンホン】が悪魔を追い、じりじりと苛立たせ、この世で一番恐ろしい、もしくはあの世に行っても後悔する方法でとどめを刺すべく悪魔を追い詰めていく。

これは面白い。何故いいところで【イ・ビョンホン】が悪魔を解放するのか不思議だった設定、ラストで思いもよらない方法で処刑を実施するところはミステリー的にも優れており、僕はとても気に入った。

そう、この映画では被害者側が法の裁きで他人に裁いてもらうジレンマを見事ふっ切ることになる。ただし、それは自分自身が悪魔になるということだったのだが、、。

僕は【チェ・ミンシク】の悪者があまりにフツーでありすぎたので『チェイサー』に比べると怖さに欠けるかなあと思ったが、その分一応被害者側が悪魔になることでラストの展開は完全に逆転しており、爽快感はこちらの方が強いといえよう。

でも、最後のあの処刑方法、どこかで見たなあと持っていたら、『ソウ』でそんなシーンがあったような気がしますね。でも娯楽映画としてはかなり楽しめました。一級の韓国映画です。このジャンルはいいね。

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