最初に、乗りそこなった感じがしました。最後まで、追いかけることもできず、どんどん置いてけぼりを食った感がします。そのためこの劇に関しては何をも書けない状況でございます。ご容赦あれ。 . . . 本文を読む
関西で有名人のタレントである黒田有率いる劇団といっていいんでしょうか、想像していた以上に面白かった。きちんと喜劇を創作し、練り上げている。しかも、題材が、現人のほとんどが使用しているという「ライン」を基本軸に、なかなか辛辣な作品に仕上げている。立派である。
あまり、黒田自身が出しゃばらないところもいい。テレビで見ているより、随分中年の風貌も深まり、イメージ通りのタレントでもない。俳優陣も芸達者で . . . 本文を読む
東京の大きな映画館で、15,6人しかいない、何というか、贅沢でちょっぴりさみしい感覚で見た。もうこのシリーズ、何故かいつも見ている。僕の札幌への思いが、時たま出てくるすすきのの映像が、心を引き寄せるのか、、。
ところが3作目ということもあり、マンネリから脱すべきはずなのに、見事マンネリズムのドツボにはまってます。何より、あの大泉と松田の掛け合いが、全く笑えないのだ。ほとんど全部といっていいほど、 . . . 本文を読む
なかなか練られた作品です。あるうらぶれたホテルにD・ミリガンに会いに、次々と客が訪れる。謎が謎を呼び、そのうちしかしある一つの哀しいストーリーにみんな近づいてゆく、、。
翻訳物のような劇なんだが、最後までそのイメージを変えないでラストまで一直線。いい味わいで、素晴らしい劇だった。
何より、出演者がそれぞれの役柄を慈しんでいるのが分かる。その思いが彼らの劇を成り立たせていると言っても過言ではない . . . 本文を読む
僕の好きな成井作品だ。芥川龍之介に江戸川乱歩そして黒蜥蜴が出現。映画から主演者が飛び出し、自由に行動し出す。そしてまた映画に戻り、と、奇想天外な展開。
芥川とは全然イメージの違うちょっぴり太めの俳優さんが熱演し、みんなそう若くないのに舞台狭しと走り回るってる。
12月に見るには俄然素敵な劇だった。中目黒という土地柄もうまく生かし、楽しい舞台で、充分2時間の長尺を退屈させない。
劇場を出ると東 . . . 本文を読む
終戦後、早や72年。特高のことを語り継ぐ人も少なくなってきた。この劇は「特高は美化してはならない、しかし風化させてはならない」との念により、繰り返し演じられ、日本人であることを痛く強く感じる作品である。
やはり一人一人の登場人物の思いを聞くにつけ、涙が溢れ出る。こんな生に対するむごいことを戦前教育はいけしゃあしゃあとやっていたんだ。人間が狂い出すと、もはや手を付けられなくなるんだね。
現代にお . . . 本文を読む
映画の根本的な映像をあらゆる角度から論じ、試し、確立した映画(集)である。しかもそれぞれ50秒。ところがその一つ一つが短くもなく、長くもない。見事一本の映画なのである。すなわち我々は108本の映画を見たことになる。
映画の技法のすべてがここに存在するといっても過言ではない。それはカメラの構図というものを通じ、現代のわれわれの生活にしっかりと入り込んでおり、絵画史ともリンクすることになる。この原初 . . . 本文を読む