映画の根本的な映像をあらゆる角度から論じ、試し、確立した映画(集)である。しかもそれぞれ50秒。ところがその一つ一つが短くもなく、長くもない。見事一本の映画なのである。すなわち我々は108本の映画を見たことになる。
映画の技法のすべてがここに存在するといっても過言ではない。それはカメラの構図というものを通じ、現代のわれわれの生活にしっかりと入り込んでおり、絵画史ともリンクすることになる。この原初的映画群の完成度の高さには驚いてしまう。
映画にとっての彼らの映像の基本的モンタージュ理論は、しかし現代の映画作家にとっては、重しとなっているのかもしれないなあ。と、ふと思う。映像とセリフ。安易な説明過多。
しかし、映画とは映像から成り立つものであり、それは基本中の基本なのである。
現代の映画作家はこの映画をしっかり見るべし。
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