
なかなか練られた作品です。あるうらぶれたホテルにD・ミリガンに会いに、次々と客が訪れる。謎が謎を呼び、そのうちしかしある一つの哀しいストーリーにみんな近づいてゆく、、。
翻訳物のような劇なんだが、最後までそのイメージを変えないでラストまで一直線。いい味わいで、素晴らしい劇だった。
何より、出演者がそれぞれの役柄を慈しんでいるのが分かる。その思いが彼らの劇を成り立たせていると言っても過言ではない。いいチームワークだなあと思う。そして彼らは劇を続けていて幸せだなあと思う。そんな彼らの余裕さえ感じられ、ある意味憎いほどだ。
でもちょっとだけ言わせてもらえれば、現実感がないということかなあ。王室の指輪だなんて、もうちょっと卑近な、大げさ話でもよかったのではなかったかなあ、と夢のない凡人は考えるのである。
でも、いい劇だった。カレーを食べずに帰るのが心残りだった。(何の事って?)
観客に、劇団からおいしいカレーを観客全員にふるまってくれるらしいのだ。僕はその後飲み会があって、残れなかったのだが、誠に残念至極。
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