これはマットの演技を見る映画ですね。(相変わらず何も知らずにこの映画を見た)冒頭からの5分間はマットであることが分からなかった。
中年のオッサンが主役の映画か、、。どんな映画なんだ。仕事探しにも苦労してそうだ。あまり頭良さそうな感じには見えない、、。底辺に生きている人の話なのか、、。でも、マットに似てるけどね。だいぶ太り気味でマッチョだね。とか思ってると、顔がよく映ってきて、ホントよく似てるわ。いや、マットかも。そしてフランス行く頃から、完全マットの映画だと認識する。俺はアホか!
それほど、ある程度人生への前進を諦め、力仕事をものともしない、ごく普通の肉体労働者の人物像をマットが演技しているのである。そこには、ハーバード出身という彼の履歴も何もない。あるのは粗野で、ただ娘を助けようと動き始める普通の父親像である。
そんな、荒くれだった男が、ふと普通の家庭の温かみを知ることになる。マットは体で心で演技する。実に渋い。いい役者になったのう。いい年齢の取り方だ。血のつながりか、後先を考えない自分によく似た娘の本当の事件の真相を知り、裏切られても、それでも娘を守ろうと思う。そこには、人間の素の真実の姿があった。
マットはこのひとりの人間を演じ切った。私たちは彼の人間性をまで感じ取る。映画から何かを獲得した素敵な時間である。これだから映画はやめられない、、。
マット以外の俳優陣が、俗フランスの人間像を実にさらりと演じていて、実にマルセイユの普通の町の風を感じ取れた。
佳作であります。こういう映画を見るとルンルンになるね。
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