鹿児島の自然と食

鹿児島の豊かな自然(風景、植物等)、食べ物、史跡を紹介します。

硫黄島(その1)

2006-10-07 | 風景
硫黄島(別名鬼界ケ島)は薩摩半島の南45km、種子島の西60kmに浮かぶ火山島です。東に竹島、西に黒島があり、行政的にはこの3島で三島村となっています。
視界が良いときは種子島から眺めることができ(8月10日紹介)、眺めて育ったのですが、今まで行ったことがありませんでした。鹿児島でも硫黄島に行ったことのある人は少なく、近くて遠い島です。
少し古い記事ですが(2004年10月)、1泊2日で行ってきたので硫黄島の自然を紹介します。

鹿児島本港からフェリー「みしま」に乗り込む。「みしま」は村営船で、まだ新しく快適な船だ。
9時30分出港。しばらくは、錦江湾の快適なクルージングが続く。
右に指宿や開聞岳、左に佐多岬を眺めると、船は外洋に出て波がやや高くなるが酔うほどではない。
しばらくすると、左から種子島、竹島、硫黄島、黒島がパノラマのように広がっている。
12時20分、第一の寄港地、竹島に到着し人や荷物の積み下ろしがある。竹島は平坦な島で、一面竹(ダイミョウチク)に覆われている。


竹島

硫黄島に向かうと、正面に硫黄岳(704m)が迫ってくる。硫黄岳は今も活発に活動する火山である。
船は硫黄島の南を通って港に向かうが、硫黄岳の麓の海岸に露天風呂の東温泉が見える。
今回の旅行の大きな目的のひとつが、この東温泉に入ることである。


硫黄岳が眼前に迫る。


中央の海岸付近に東温泉がある。

午後1時5分、硫黄島の港に到着する。港の海水は硫黄の成分でオレンジ色をしている。
硫黄島は、面積12km2、人口140人くらいの島だ。集落は港周辺だけである。


硫黄島の港。

船から下りると、港の近くにある旅館に荷物を置き、早速徒歩で観光だ。
まずは港の近くにある俊寛像を見に行った。
俊寛は1177年に平家討伐の陰謀が漏れ、都からここに流された僧侶である。仲間は帰還が許されたが俊寛は許されず、像は帰還する船を追いすがる姿を写している。
俊寛は、言葉も生活習慣も違う南海の孤島で、どんな思いで暮らしたのだろう。1179年、没している。


俊寛像

東温泉に向かって歩いていった。東温泉は港から徒歩で40~50分のところにある。
途中に冒険ランドいおうじまの施設がある。これは鹿児島市が開設した青少年の宿泊教育施設である。

道路沿いは椿の木があり、カメリアロードと呼ばれている。また、ダイミョウチクがたくさん生えている。
島には農地はなく、島の主な産業は椿油を使った石鹸やダイミョウチクの加工品である。だが、基幹産業とまでは言えず、主な生活基盤は公共事業や年金暮らしとのことだった。
途中に俊寛堂がある。俊寛が暮らしたという小さなお堂である。


俊寛堂

孔雀を見かけた。白い孔雀もいた。この孔雀は、かつてヤマハリゾートというリゾート開発会社が持ち込んだものが野生化したものだ。この会社は今は撤退している。
ヤマハリゾートは飛行場まで作り、小さな硫黄島に飛行場がある。撤退後は、村営の空港として運営していたが、今は閉鎖している。
そして今回の旅行の目玉、東温泉に着いた。
コメント
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