『コミュニケーション・スタディーズ』
それは世界思想社から出版されている専門書です。
2010年の発行から10年が経過して発行部数は10000冊を超えています。
その本の全ての魅力は編者である渡辺潤教授の“力”によるもの。
執筆人以外の大学の授業でも活用されていることはその証だと思われます。
発刊から10年が経過して社会も変化してきているので、改訂版を発行することになりました。
私も分担執筆させているので、短頭部分の「病と死」、「異文化コミュニケーション」、「ステレオタイプ」を修正、加筆させていただきました。
改訂版の発刊が今から楽しみです。
興味を持った方は是非、お買い求めください。
改訂版の側注の参考文献に伊藤守『情動の社会学』(青土社)があったので読んでみました。
『コミュニケーションスタディーズ』で「ネット社会」「ケータイとネット」を読んだ後に第6章から8章までに書かれているメディア、電話、ケータイ、ソーシャルメディア、モバイルメディアなどの深い確認が可能です。
さて、7月5日(日)は東京都知事選挙が実施されました。
選挙前に都知事に立候補した方々の中の数名の政見放送をみました。
芸能リポーターのようにN H ●の職員の不倫問題などを講釈師のように体の動きを交えて語る候補者にも驚かされました。
そこで思ったのです。
それは伊藤先生が指摘されているように「テレビは、いつの頃からか何かを伝える伝達のメディアではなく、自分が参与し、何か事を起こすことができる「使える」メディアに変わった」と。
ホリエモン党の立花氏の政見放送は、まさにそのことをよく表している現象。
さらに伊藤先生が書かれているように「Twitterは、まさにその「使える」メディアであり、誰もが大小さまざまなイベントを作り出せるメディア」とするならば、トランプ大統領のようにTwitterの利用が核であり、次にテレビを利用。
日本の場合もネットがあるので公共放送等を利用した政見放送など要らないとも思いました。
『情動の社会学』のあとがきに渡辺潤先生の著作を読んで、「いつかこういう文書を書きたい」「こういう本を書ける研究者になりたい」との伊藤先生の言葉。
いまだ先生のような「柔らかいタッチで、繊細で、しかも核心をつく」文章は書けないでいるとも。
「柔らかいタッチで、繊細で、しかも核心をつく」文書を書けるようになりたいと強く思った次第です。
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