一方日本人の宗教意識はどうだろうか。日本人が、歴史的に宗教的混交状態と慣れ親しんできたことは数々の実例が示すとおりである。そしてそれは、明治政府の神仏分離や廃仏毀釈といった政策をもってしても完全に破壊されることはなく現在に到っている。
そういった現代に残る「宗教的要素」として、結婚式、初詣、葬式、地鎮祭といった例が思い浮かぶ。これらが、神道や仏教、あるいはキリスト教の儀式に拠ったものであるこ . . . 本文を読む
※前回、「日本人の「無宗教」について」と題して「宗教的帰属意識」こそが日本
(人)の宗教状況において特殊であると述べた。ここではその根拠などについて書いていきたい。
[問題の提示]
日本人の「無宗教」について考える場合、「実態として無宗教なのか」ではなくて、「無宗教と感じている人が多いのはなぜか」ということを常に意識しなければならない。すなわち、「神道は無宗教なのか?」「仏式葬儀をするなら仏教徒 . . . 本文を読む