モン・スールは家族、恋愛、少女の成長など様々な話題を扱った作品であるが、それに関連して気になったのが父親の扱いである。作中において、父親には全く救いが提示されていない。これが計算づくなのか偶然なのか判断しがたいが、非常に興味深い特徴であるように思う。
父親は悪意をもって失踪したのではなく、リストラによって自分の価値が無くなったことに恐れおののき、息子(池内)と娘(美波)の前から姿を消したのであ . . . 本文を読む
知識が足し算であるとすれば、法則はかけ算である。
例えば法則は、足しただけでは二桁にも満たない個々の事実を容易に四桁、五桁、場合によってはあらゆるものに共通する性質にまで昇華するのである。
しかし、もしその法則が誤っていれば、蓄積した事実の価値がマイナスの符号によって反転するだけでなく、その被害は元の事実の数十倍、数百倍…と止まることを知らずに拡大してしまう。
法則とは、まことに便利で . . . 本文を読む