この世界の片隅に:自然描写が見せる「社会」と「世界」

2016-12-25 12:21:17 | レビュー系
前回の記事では、自然が象徴する人物の心理などについて述べた。「この世界の片隅に」は作中人物の重層的な心理が丁寧に描かれているため、それを象徴するものとしてのタンポポやサギがあるわけだが、一方でそれは表現技法として極めてありふれたものであることも事実だ。またもう少し突っ込んで言うと、それならば自然は人間と一致する、あるいは調和している存在のように見えるが、ことはそう単純ではない。なるほど野草でご飯を . . . 本文を読む
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