お勧めYou Tubeチャンネル2:長引く自粛のお供に

2020-05-07 12:41:25 | レビュー系

一度お勧めのYou Tubeチャンネルを紹介したが、自分の登録しているものを逐一掲載するとクレイジーな分量になるので、一度絞って60個とし、さらにそこから45個抽出した。今回はそのうちの15個を紹介していきたい。

 

1.非株式会社いつかやる

偉人飯シリーズ、歴史を巡る小旅行、歴史クイズなどバリエーション豊富なチャンネル。実際に吹き矢の威力を風船で試してみる(in 近所の公園w)など、小学生でも楽しんで(?)見れるネタも少なくない。最近急速に登録者数を伸ばしているが、その要因の一つは、このバリエーションの豊富さによりパイが大きいこと(忍者屋敷の話とかそれこそ小学生でも楽しめる)、そして三人(もしくは二人)が突っ込み合いながらわいわい話して進めるので、その雰囲気を楽しみながら知識を学べるという点にあるのではないだろうか。ただ、個人的には副社長が一人でディープに歴史を語る回が一番好きだったりするがw

 

2.由宇霧チャンネル

本当はもっと早くこのチャンネルを紹介したかったのだが、ズルズル遅れてこのタイミングになってしもた・・・前に映画「レスラー」の紹介文で「人には居場所が必要だ」と書いたが、これはまさにその「居場所」となるようなチャンネルだと私は思う。端的に言えばその理由は、「人に相談しづらい」・「医療機関は下手するともっと相談しづらい」からだ。

もちろん、ここで扱われているような悩みというものは、専門の機関に任せるべきだ、という意見もあるだろう。しかし、言う程その境界は明確ではない。そもそも相談する人自身が、「これは異常なんだろうか」「相談するべきなんだろうか」「でもそれで異常と言われたら」という風に葛藤したりするものであり、その時に専門の機関というのはそこに行くこと自体が相当な覚悟を要する場合がある。また、そもそも対症療法的に「直せば」解決するのか、という問題もある。

そのことを踏まえれば、こういうオープンな場で自分のことを話すだけでなく、他の複数(多数)の人間の実際の声に耳を傾けることで、悩みを抱えているのは自分だけではない(だから我慢しろではもちろんない)、この苦しみや傾向とどう折り合いをつけていくか(共生の智慧)、といった事柄を無理なく吸収していくことができるこの由宇霧チャンネルは、稀有であり、かつ非常に重要な場となりうると私は考える。

 

3.わいわい調査部

鉄道会社の歴史や経営についての解説動画。これを見ていると、当たり前だが鉄道というのは都市開発といった国策とも深く関連しており、その栄枯盛衰は社会と密接に関係していることがよくわかる。内容の充実ぶりに比して登録者数が少ないように感じられるが、思うにチャンネル名から内容が連想しにくいといったことが関係しているのではないだろうか?「ガチガチでハードルが高い内容ではなく、調べた内容を楽しく説明・共有しますよ」という意図があるかもしれないが、ちょっとこれは勿体ないと私は思う。

 

4.Subculture&Economic

名前の通り、subculture(主にゲーム)やeconomic(投資など)を扱うチャンネル。ブレグジットやコロナ不況など、世界の現象の捉え方についても最近は多い(まあ経済にも影響するから当然なんだが)。これ見ててマジメに思うんだが、いい加減義務教育で株の仕組みといった経済構造、あるいは日本の税制(社会的再配分とか含め)とか多少なりとも教えておかないと、弊害がひどくてどうにならない(というかすでになってる)んじゃないだろうか。

今の学校教育って「すぐに役立つかわからないけどあった方がいい→パンツみたいなもん」とか例えられるけど、「社会に出た時に知らないと死ぬ→シャツやズボン」を着ようとせずに、パンツだけ与えて「うーしこれで教育完了だぜ!」って世にH〇NTAIが大量に放たれるだけなんじゃないですかねえ(名推理)。要するに、プライオリティを完全に間違えてるって話だ。

多少説明すると、地域共同体が機能(社会的包摂が機能)しており、一たび会社組織に入ったら後はその「教団」の一員としてよほど何かやらかさなければやめさせられることはなく、しっかり定年まで勤めあげましょう、みたいなサイクルが機能していた時代には、むしろシステムを教える(考える脳を持たせる)より黙々と組織に順応する人間を大量生産した方が合理的だったのかもしれない。しかしご存知のように、今では(多少程度差はあっても)地域共同体は崩壊の一途をたどっており、また会社組織も「入信」するような思考ではいられなくなってきている(まあ選考システムは昔から大きく変えられていないのだが)。

とするなら、先に述べたような事項を自己責任として個人任せにすると、むしろ社会の足を引っ張るだけであり、攻勢防御的に教育内容を変更して社会の成員のマインドを変えていかないと、衰退は止まらないと思うわけだ。

・・・なーんて書いてみたが、教育は変化するのが最も遅いと言われるように、仮にこれから仕事や社会が大きく変わったとして、さらにそこから変化に時間がかかるので、日本の衰退はもうその頃にはさらに顕著になっていることだろう。

というわけで学生のみんな、AK47装備か海外逃亡だ!(・∀・)←ロジャーズ並感

 

5.カカチャンネル

いわゆる「しくじり~」解説の元祖ともなっている老舗(と言っても4年くらいだが)チャンネル。企業に関する倒産や訴訟の記事はニュースになったりもするが、その背景などは細かく説明されないことも多い。その点、コンパクトに知ることのできる非常に有用なチャンネルと言える。

 

6.Fラン大学就職チャンネル

このチャンネルで学べること。「いらすとやのバリエーションは世界一ぃぃぃ!!」(小並感)。就職はもちろん、企業情報の見方、社会構造その他諸々について、幅広く紹介するチャンネル。つーかこんなに豊富なネタを週2で提供し続けるって普通にスゲーなと思う。

 

7.ヨビノリたくみ

そう言えば高校で習ったあの知識って何だったっけ・・・とか高校で習ったことが大学やその先でどういう風に繋がっていくのがわかりやすく知れる、という点で非常に有用なチャンネル。えーそれって理系にしか関係ねーじゃんと思うかもしれないが、それらは経済、地理、環境問題など日常生活にも深く関わっとるんやでー。

 

8.ゆっくりげんまいの医学?地理?

精神疾患や歴史(あるいはその両方)について解説する動画。これは別の機会に書くかもしれないが、多様性の重視や働き方改革など諸々言われている割に、よく見られる症状やそれへの友好な対処法、具体的なシステム整備はまだまだ途上である。

日本の場合には本人の甘えであるという精神主義的な見方も強く(これは依存症にも言える)、またノーマライゼーションの抑圧(「空気を読む」)が強いため、そもそもがただレッテル貼りして終わり、ということも少なくない(「アスペ」とか「サイコパス」とかよく考えもせずに言葉が使われるのはその典型)。

とはいえ、「日常生活でよくある精神障害などを知りましょう」といってもそれを体系的に勉強する時間を取るケースは少ないだろうから、入口としてこういう気軽に学べる・知れる動画は重要である(それは誰にも相談できずに苦しんでいる人の救いになることもある)。

 

9.Katuhiro KOHARA

宗教や宗教儀式、その思想や背景について解説している動画。話者の小原克博は同志社大学教授であり、クリスチャンである。言うまでもないことだが、話者のスタンスや解釈に全面同意する必要はもちろんない。ただ、対立というものは、しばしば無知・無理解によって生じてきた。それに鑑みるならば、そもそも知る・知ろうとするという行為自体が共生の作法の一つであると私は考える。

 

10.ひろゆき

宗教解説の動画の後にこの御仁を持ってくるとは悪意があるとしか思えない・・・だって?それってあなたの感想ですよねw(ひろゆき並感)

私がいつも思うのは、他人の宗教とか信条についてはよく知ろうともせず論難するのに、自分の拠って立つ諸々の前提については検証が甘々だよねえ、ということである(これについての経験を書いたのが、「宗教と思索:今日的思考の原点」である)。その点においては、それに賛同するか否かは別にして、AゆえにB(if-thenの図式)をはっきりと説明する(しようとする)ひろゆきという人物は、ただ他人をおちょくっているだけの人物ではないことは明記しておく必要があるだろう。

 

11.ただよび

前にも書いたが、今自分が応援している教育系チャンネルの一つ。もっとハイレベルな内容をやらないのか、という意見もあるようだが、インタビューで吉野自身も言っていたように、そもそもどんな人でも授業を受けられるようにする(機会の平等)というのがコンセプトなわけだから、基礎の基礎から始めるのは当然と言えるだろう(最初から中堅以上に絞ると、そもそもパイが少なくなってしまう、ということも言える)。

英語の森田も「参考書と書いてあることが同じじゃん」「他の動画で別によくね?」とならないように、発音の仕方や今日の単語といった独自要素を入れるなどの工夫をしていることが見てとれる。現状なかなかコロナ禍の中でバリエーションを広げることができずに登録者数増は頭打ちになりつつあるが、それでも1か月で約11万人の登録者を集めたことは、それだけで行動の価値と期待の大きさを示したと言えるだろうから、今後も頑張ってほしいと思う。

なお、(私も現役時代は東進だったので)映像授業にありがちなことだが、「知っていれば解ける」という勘違いには注意した方がよい。それは例えて言うなら、「フォークボールがどういう軌道かを知っていればすぐに誰でも打てる」という勘違いに似ている。知った上で練習(演習)しないと、打てる(解ける)ようにはならないのである。

 

12.へんないきものチャンネル

おもしろい生き物、絶滅した生き物、おそろしい生き物などなどを幅広く紹介したチャンネル。こういうチャンネルは「かわいい」・「すばらしい」・「守るべし」みたいな傾向・論調を想像するかもしれないが、何気に冷めた目線ももって語られており、「野生動物にエサをやる中途半端な愛情は、地域住民にはもちろん、かえってその動物のためにならない」・「その取り組みの費用対効果は?」のような突っ込みもしばしば見られるバランスの取れた内容となっている。

あと、TANUKISAN MAJI KAWAII(*´ω`*)

 

13.たわらもとチャンネル

こちらは「しくじり都市」と銘打ってニュータウンの衰退などを紹介している。先のわいわい調査部と併せてぜひお勧めしたい。

 

14.おっちー一級建築士事務所

建築にまつわる事件や、ゲームのダンジョンを建築学の視点で考察といった動画を出しているチャンネル。結構おもしろいと思うのだが、登録者数はなかなか伸びてないようだ。印象として、キャラ同士のやり取りをもっとテンポよくした方がええんでないかな。

新しい試みとしての建築家紹介がバズることに期待したいが、古い建築物とかを歴史に絡めて紹介すると(あるいは現代の視点から見てどのような合理性があるか等でもOK)、もっと幅広い層から視聴者が取り込めてよいのではないかな?と思ってみたりする。

 

15.ゆっくり妹の経済学

勉強すればするほど、経済学の派閥って神学論争めいててめんどくさいにゃあ。if-thenが論理的に成り立つからと言って、その間に別の変数(たとえば人間の非合理性)が入ったらそれでもう成立せんやんけ。

まあだいぶ前からゲーム理論、カオス理論などが導入されて、今では行動経済学のサンスティーンがノーベル賞を取るような世の中になっているから、「人間は必ずしも合理的に行動しない」というか、「合理」の前提が学者連中の想定している以上に多様であることが最近では当然だと認識されるようになってきている、気がする(そもそも各人が合理的に行動した結果、マクロのレベルでは深刻な問題が生じる=合成の誤謬なんてことも、普通に認識されるようになって久しい)。

とまあ色々思ったりするわけですが、今社会を動かしている理屈がどんなものなのか、それがどんな背景や問題点を含んでいるのか知らないと、まあ流されるしか方法がなくなりますよと(もちろん信者になるのは論外)。

というわけで、入門編としてご参照ください。


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« (飯) テロールの系譜7 | トップ | (飯) テロールの系譜8 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

レビュー系」カテゴリの最新記事