が「ナマい(生々しい)」とよく言われるのは、端的に言うと彼女らが「どうしようもない他者」だからである。
一般的なエロマンガにおいては、それが和姦(合意あり)であれ鬼畜モノ(合意なし)であれ、また覚醒状態であれ催眠状態であれ麻薬を使うのであれ、最終的には相手が自分のモノになる(≒所有する)という点ではおおよそ共通している。
しかしEB110SSに関してはそこが大いに異なっている。たとえば最新の単行本である『少女レシピ』一つとっても、自分がマスメディアでのし上がるために枕営業で男を篭絡する(利用する)少女、大人の男を「チ○ポ」=交換可能なモノ扱いするニンフォマニア、スポーツ感覚で同年代や校長(!?)も手玉に取る少女etc...という具合である。もっとも、女性が上位になる(男性を手玉に取る)ものばかりではなく、最後の「まいちゃんがいます」のように微妙に居場所がない少女と関係を持つ話もあるが、それでも少女が男の側に依存する・・・といったオチには決してならないのだ。あるいは、「それでも先生はアシスタント」のように、たとえ感じていることを表す描写があって中出しまでされても、その直後には「コネ・・・ゲット」と言い、「約束ですからね。持ち込んだら載せてくださいね。」とまるで何事もなかったかのようにしゃべるのである(ただし、編集者の方も単なる口約束であり、また全体的にコミカルな描写になっていることもあって不快感をもたらすようなものには全くなっていないが。この点については、さきの男を快楽を満たすモノ扱いする少女とのやり取りでわずかに自分が特別であることを匂わせる描写を入れていることなども特筆しておくべき点となる。どの程度シリアスに、あるいはドライに描くかについては作者の中で長い間葛藤があったようで、その中で培ったバランス感覚なのだろう)。
そう、EB110SSの漫画で最もありえないのは、「アヘ顔ダブルピース」的な行為をさせて「あなた専用になっちゃった」的なシーンやキャラに他ならない。そのような最後の一線で都合のいい存在から距離を置いているところが、「ナマい」という印象を生み出すのだと考えられるのである。
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