
先日、上野へ行ったついでに駅近のBOOKOFFへ寄ってみた。ぶらっと見て回るぐらいのつもりだったが、『近代国家と仏教』と『道徳感情はなぜ人を誤らせるのか』に惹かれたので購入。後者はまあ「地獄への道は善意で敷き詰められてる」的なヤツだが、この分断とSNSの時代の鬱屈と袋叩きを考える上でも参考になりそうだ。
で、そこから今興味を持っている『日本史 敗者の条件』と『遊牧王朝興亡史』も買ってしまおうと、丸の内オアゾの丸善に移動。まずは前者を求めて新書コーナーに行くが、その前に『日ソ戦争』と『近代日本の対中国感情』が目に入り、かなり興味が惹かれたので購入。まあ前者は『ゾルゲ事件80年目の真実』を読んだばかりだし、トランプのアメリカの動きで秩序がかなり流動化しつつあるから押さえておきたいところ。
ちなみに後者は、日本の無宗教を考察する時に自分がよく言及する、「脱亜入欧的オリエンタリズム」という病とも関わると感じたので買うことにした。言わばかつての理念型を(と言っても大陸の周辺国ほどには影響されていないのだが)、どのように格下としてみなすようになったのか?というメンタリティの変化であるが、それは「辺土と神国思想」という日本の自己認識における両極のスイング現象(まあ俗な言い方をすれば島国根性)を考える上でも興味深い。
さて、ここで『遊牧~』を買うために歴史コーナーへ移動し、中央アジア・北アジアの棚を見ていたら・・・そこで見つけてしまったのさ。まさかのラシード『集史』日本語訳を!
かつてジュワイニーの『世界征服者史』でホラズムシャー朝の勃興を読んでスルターンサンジャルやラシードワトワトなんかが出ていたのを思い出し、つい買わずにはいれんかった(>∀<)
もうだいぶ忘れちまったが、カズヴィーニー校訂本とかボイルの英訳とかあって、後者はもちろんのこと、校訂本にだって問題点は存在し、決して鵜呑みにしたらあかんで!とかいう話も出ていたが、そのあたりに踏み込む前に無事(?)退院してしまったので、何だか懐かしい感じがする(なお、近くにはハザール帝国の解説書もあり、ペチェネグとかポロヴェツ=キプチャクとかやってた記憶が甦ったw)。
で、そんな中で見つけたのがこちら。

学部1、2年の頃は突厥やウイグルをやっていて、護雅夫が紹介したクリャシュトリーヌィ&リフシツのソグド語碑文解読も興味深く見ていたが、その解釈で出てきた突厥への仏教伝播という解釈を否定し、かつ王族阿史那氏の読みが「アシナス」だと解明(?)したのがこの吉田豊だった。しかし専門書だから当然とはいえ18000円ですか・・・さすがに無理っすわwwwさすがに理性のフィルターが働きましたよと(・∀・)
ちなみにここで目的の本が見つからないので検索機で調べると、講談社メチエ発刊でそもそもコーナーが違う、と。結局新書コーナーに戻ってその奥の棚で『遊牧~』もゲットいたしました。
最初は二冊の予定が、予期せず七冊にまで膨れ上がってしまったが、これこそが書店巡りというアドホックな行為の魅力なりと再認識し、大変な満足感の中で帰途についたのであった😇
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