この前「伝説の何某」というゲームをクリアしたので、同じトコが作っているtwin soulのレビューをついでに復活させておきたい。
さて、+αにちなんで「伝説の何某」の評価を簡単に書いておくと、CG100%回収を目指せばそこそこ遊べるようになってはいるが、ストーリーは微妙ってところ。twin soulと同じく善悪の境界線の曖昧さだとか上に立つ者の苦悩みたな話が出てくるが、ストーリーと有効に絡んでいないため「あーそーすか」て感じにしかならない(いちおう作者がそういうテーマにこだわりを持っているというのは伝わるけど)。この部分は、twin soul―ドラクエⅣと違って「伝説の何某」の原作(ドラクエⅢ)がもともと善悪の曖昧さとかを問題にしていないのも大きい。いかにも悪者というか「俗物」っぽいバラモス、悪の華ゾーマの描き方がⅣのデスピサロと真逆なのは明らかなわけで、ドラクエⅢを下敷きにして善悪の曖昧さを描くのはよほど工夫しないと取ってつけたようになってしまいますよと(この点については「ドラクエとかたき討ち」も参照)。
以上のような感じで、「伝説の何某」はまあ凡作でした。絵柄やモンスター姦が好きな人にはおすすめということでw
<原文>
今まで扱ってきたひぐらしのなく頃にや君が望む永遠に比べるとかな~りマニアックなので、まずは簡単な紹介をば。
このゲームは「れーずンPie」というサークルから2008年に発売されたドラクエⅣの二次創作エロゲーである。HPのあらすじを引用すると
******************************************************
魔族として育てられた吸血鬼の少女。
宿敵とも言える勇者を陥れる為に敢えてパーティに潜入するも、 彼女の中に芽生えたもう一つの心が葛藤を引き起こす。
偽りである仲間の危機を嘲るも救うのも、彼女を確定付ける選択肢。
どちらの自分が自分であるのか、矛盾する問い掛けに出した結論とは・・・
使命の為、宿敵の為、仇討ちの為・・・そして勇者の命を狙う為に、
様々な想いが入り混じりながらも パーティはモンスターの居城へと旅立つ。
******************************************************
てな感じ。作中の選択肢によって主人公が人間にも魔族にもなる…というのがtwin soulという題名の由来となっている(ドラクエⅣの二次創作でそのようなシステムにしたのは見事だが、それについては後述する)。
このゲームとの出会いは、とあるサイトに広告バナーがあり、当時にしてはドラクエの同人ゲームが珍しかったので、体験版をやってみたというものだった(気がする)。まあ体験版自体はそれほどインパクトはなかったが、ラストのマーニャのエロシーン紹介で「この挑戦を受けなば褐色狂の名折れ」と購入決定。いや、それは必ずしも正しくない。実は、当時の私は乾いていたのだ。
なるほど少ないながらもマーニャのエロ同人は存在していたし、、爆乳フルネルソン、へらぶなといった有名どころも書いてはいた。しかし、表紙やマーニャのエロさからくる期待があまりにも大きすぎたのか、それらは褐色への希求を満たすどころか、むしろ隔靴掻痒の感がますます褐色への情欲を高めるという悪循環に陥っていた(前者のヴァルキリーやプリキュアのふたなりモノはなかなか良かったし、後者も侍魂のミナは異種姦モノでよかったのだが…)。その中で、クリムゾンやフリークスたちの作品が一時的に渇きを癒してくれることもあったが、衝動を根本的に抑えるにはいたらない。まだ、何かが足りないのだ。
ことほどさように、当時の私は理想的な褐色を求めたとえ火の中檻の中…という勢いだった。そんな私がマーニャ・ミネアの出演する同人ゲームを見て買わないなどということがあろうか、いやない。というわけで始めたtwin soul。「仲間」がモンスターに襲われるシーンで助けるか・助けないかを選択でき、それが好感度や人間・魔族度(?)に影響を与えるのだが、エロが目的であるため放置プレイなのは言うまでもない。
最初のチャンスは森ルートで訪れた(森と砂漠でルーツを選択でき、イベントが変化する)。ナマズのようなモンスターに襲われんとする我が褐色の恋人スジャータ…もといマーニャ。これを焦れる心で捨て置くこの感じも堪らないものがある。しかし、そんな愉悦は強烈な逆襲で吹き飛んだ。エロシーンは(当然ながら)異種姦の様相を帯びるのだが、自分が獣姦に過剰反応することを忘れていた(cf.ZOOERASTIA)。しかも、それに追い打ちをかけるような腹ボコの描写。いくら角度がよくても(魅力的に描かれても)、単発のボディーブローだけではもはや倒れない。それほどの経験を積んできているからだ。しかしここにきて、ガゼルパンチ(獣姦)とデンプシーロール(腹ボコ)の必勝パターンが炸裂。当然グロッキー寸前である。しかし、腰の抜けたへろへろライト程度ならばまだ耐えられる。とそう思った矢先、飛んできたのはへろへろライトどころか断面描写+膣出しのライトニングストレート。私が立っていることができなかったのは言うまでもない。
さらにマーニャやミネア以外でも主人公やアリーナが予想外の健闘をしたため、死角も少ない。このような状況を前にして、私は完全敗北を認めざるをえなかった。いやむしろ、敗北を教えてくれたことに私は感謝すべきだろう。これまで人類が10回は滅びるほどの被害を受けてきたが、それほどの代償を払わされること自体、この文物あふれる社会では希有な事ではないか。このゲームは、伝説的な作品として私の記憶に残り続けるであろう。
エロばかりを強調したが、実はこのゲーム、ストーリーもなかなかよい。ネタばれを避けるため詳しくは書かないが、そもそも人間とモンスターの境界線の曖昧さを描いたドラクエ4において、選択次第で人間か魔族か変わるというシステムにしたのは上手い。その他、勇者の「マレビト」的描き方や「勇者はいない」という構造(個人的にはLIVE A LIVEを連想)にも注目すべきだが、何より秀逸なのは原作で言う「進化の秘宝」のオマージュであろう。正直なところ最初はエロパロに毛が生えた程度のゲームだと思っていたが、なかなかどうしてよく作られているのである。ただ、少し残念なのは全体として「説教臭い」印象を与えてしまうところだ。なぜそうなってしまうかと言うと、具体的な行動の描写が少なく、それを各キャラが解釈して説明する形にしてしまっているから。要するに、プレイヤーは各キャラの行動の理由や感情を吟味する間もなく登場人物がただずっと喋り続けるため、解釈を押しつけられたような感じがしてしまうのである。とはいえ、1300円という値段やゲームの容量(ハード面)を考えれば、これはある程度致し方ない側面もある。とするなら、工夫改善すべきだと思ったのは
1.言葉遣い
2.キャラで差をつける
3.無駄な描写を極力減らす
の3点。1は、キャラの動機づけなどを説明する時とたんに説明的な言い回し(国家にとっての姫という存在の重要性etc...)になるを避ける。2はみながみな重大な決意や複雑な背景を持っているようにするのではなく、例えばマーニャは見た目そのままで結構適当という風に落差をつける。3は例えば序盤のアリーナとブライのやり取りがコミカルな印象を与えはするものの、無駄である上に後述されるアリーナの決意の重大さと合わない(ゆえに説明的で押しつけがましい印象が強まる)ので変更ないしは削除すべき。といったところ。
最後にシステム面だが、戦闘などはコツをつかめばサクサク進む一方、最後のダンジョンはマネマネとの戦闘が面倒な上に宝箱に絡んだイベントが結構めんどくさいので、とにかくクリアしたいだけならフラストレーションはたまらないし、CGをコンプリートしたいならそこそこ遊べる作りになっている。音楽やSEはタイトルの曲が合ってない事以外はまあ特筆すべきところはないかなw
総評として、1300円という値段も考えれば十分すぎるぐらい良作と言っていいゲームだと思う。絵柄が気に行ったのなら下手なエロゲーよりよほどおススメしたい。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます