という題名で記事を準備しているのだが、いやあこれがもうなかなか大変で。
というのは、ホロライブ(カバー社)、Vtuber業界、アイドル産業、コンテンツ産業とその日本的特性といった具合に、様々なレイヤーの事情が絡み合ってるからだ。で、それを整理する時間がねーー!!となっている間に、次々と書くべき要素そのものはどんどん浮かんできて頭の中がカオスになってきているんで、取り急ぎ第一歩としてこの記事を上げてみた次第(ちなみに前の予告記事からもう二週間も経ってるのね・・・)。
で、何で冒頭で大量の動画を掲載したかと言えば、「これらを繋ぎ合わせれば真実がわかる」みたいなアホな話ではなく、ライバー・会社いずれの擁護も目的としない(いずれの肩も持たない)内容を書こうとする時、こういった引いた視点での分析はどうしても必要不可欠になるからだ。
すなわち、
1.Vtuber業界(特にホロライブ)が伸びた一要因としての「バーチャルキャバクラ」的側面
2.良くも悪くも多様性と放任のにじさんじというアソシエーションに対し、相対的に同質性が高く(見える)コミュニティ的なホロライブ
3.諸々の卒業者たちが個人勢でもしっかり活動を維持できているという例の蓄積
4.参入障壁が低いがゆえ急速にレッドオーシャン化する業界
5.よって収益の拡大とその維持には、他業界への(急速な)進出が必須
6.韓国と比較した時に際立つ「アマチュアリズム(未成熟)>プロフェッショナリズム(成熟)」というアイドル産業の特性
ざっと挙げただけでも、こういった事情が複雑に絡み合い、それが卒業連鎖という状況を生み出しているということだ(もちろん、ここにはライバー個々人のパーソナリティも関わってくることは言うまでもない)。さらにここにホロライブの卒業ラッシュに対し杞憂民が多く出る事情は、2・6の要素で概ね説明できる、といった具合だ。
例えば6について言うと、アマチュアリズムを愛でるという傾向は、さくらみこが典型のようにライバーの「pon」をむしろコンテンツ化するといった、ライバーの未成熟さを愛でるような傾向と繋がりやすい(これは一番最初の動画でも指摘される、「マイナス要素がむしろプラスに反転する現象」とも結びつけられる)。それはあくまで配信画面で見れる一側面に過ぎないのだが、この印象が過剰になると、事務所との交渉でも彼・彼女らが全く同じような存在だとみなし、「ブラック企業」から一方的に仕事を押し付けられ奴隷労働をさせられる悲劇のヒロインと考える方向につながりやすい、ということだ。この点はさくらみこもそうだし海外勢のクロニーなども困惑気味に語っている点なので、ある意味ホロライブのマーケティング戦略が成功している証左とも言えるが、それが今回のような卒業ラッシュになると、「ライバーを庇護する」という意識から、実態以上に会社の方を悪く捉える動きとなりやすいのではないだろうか。
話を戻そう。で、なんでこの生煮えの説明不足の記事でも始めたかと言うと、そもそもこういう視点で分析することが面倒とか、あるいは感情的に向きあうのは難しいということであれば、そもそも以降の記事を読むのには合わないだろうというフィルタリングの意味もある。
例えば私が自己責任論を強く批判する記事を何度も書いているのは、「社会に迷惑をかけるな」と社会のことを語っているようで、その実は社会は繋がっているという思考を欠いた、ただの切断処理(思考停止の正当化)=欺瞞であるとともに、それが社会的に極めて有害だと考えるからだ(念のため言っておくが、これは例えば「生活保護を受ける人々=絶対善」といった話では全くない)。
しかし一方で、趣味の領域においてそのような思考態度を強制するのは困難だとも思う。それが普段の記事とは少しベクトルを変えた導入の仕方をしてみた理由だ。
なお、趣味=個人的な領域であれ、それが一定のラインを踏み越えれば、社会的制裁を受ける対象となることは言うまでもない。そのことについては、最近「配信で男と絡むな」などと、単に自分が見なければ済むだけ(=嫌なら見るな)にもかかわらずライバーへ愚昧な要求をする人間のことが取り沙汰されているが、しかも彼らはそのような要求について、自分たちのような「弱者」がお前たちを成長させたんだぞ、とまで述べているらしい(まあどの程度の割合がそういう主張をしているのかまでは知らないが)。
このセリフを聞くと、毒親、あるいはより一般化して「他者を自己都合でコントロールして不幸へ追い込む存在」の典型的なセリフそのものであり、「そんな態度だから、自分は人から嫌がられて孤独になってるんじゃないか?」と一度振り返ってみたらどうだろうか?と提案したいところだ(ちなみに、前にも書いたが今述べたような内容を思う事自体は別に悪でも何でもない。問題は、そういう感情と上手く向き合ってコントロール・濾過した上でアウトプットできているのか、という話だ)。まあそういう人間にはならないように、上手く心のバランスを取っていきましょうや、と述べつつこの稿を終えたい。
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