自己責任で国家に奉仕せよ、とのたまう愚か者

2016-04-13 12:02:29 | 生活

「今の先生の話を元にみんな自由に発言していいよ」とある教師が言った。これに対して生徒が教師と反対の意見を言うと、彼はそれを流したり無視したりする一方で、自分の意見に同調するようなものは褒めて大きく取り上げた。その結果、会を重ねると誰も教師と反対の意見を言う者はいなくなった。

 

偉そうなお題目を唱えたところで、「結局実体がどうなのか」を見て人の行動は決まる・・・というのは子供の出産にも当てはまる。出生率1.8を目指すだとか、「女性は子供を二人は産まないと」などと言ってみたところで、出産・育児がどこまででも「自己責任」とみなされ、かつ先行きが不透明な(=国家も会社も共同体も守ってくれない)社会においてそれはリスク以外の何物でもなく、義務ばかり要求して権利を認めない中でどうして多くの人が産む選択をすると考えるのかが不思議でしょうがない(まあ一切避妊も中絶もしないといったメル=ギブソンのように特殊な宗教的思想でもあるなら別だがね)。

 

ともあれ今の日本社会は、中途半端に西洋の論理が導入される(キリスト教やコミュニタリズム的受け皿なき自己責任論!)一方で、中途半端に旧来の制度が残存することにより(婚外子・事実婚の扱いや育児にまつわる諸制度)最悪な状態となりつつあることは確かだろう。

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