さて、今日はいよいよジャニーズ二回目の会見が行われる予定だが、会社名変更をせずに色々「そのまま」だったから傷口を広げた前回に続き、今回は社名を公募とか相変わらずズレことをやっており、そのセンスには感心すらさせられる・・・
という具合に、私がこれまでジャニーズ問題を取り上げる際に注意していたのは、基本的に組織や仕組み(構造)にフォーカスすることであり、その視座からもやはりこの組織はもうアウトだなと再確認できる対応だったと言える(ちなみにマスメディアの方はと言うと、フジテレビの番組ではNHK批判がぶたれる一場面があったとか、テレ朝とジャニー喜多川の蜜月を示す盃動画が流出したりと、どうも「足の引っ張り合い」でしか事態は動きそうにない状況だが、まあ戦後の日本陸軍よろしく、敵対組織・派閥の醜悪な暴露合戦の中でどんどん問題点が浮き彫りになり、ますますメディアへの幻想が解体していくなら、それはそれで社会的には良きことと言える)。
ところで、今述べたようなマクロな視点とは別にミクロな視点も当然ありえる。その点において、「いま『ジャニヲタ』たちが本当に悩んでいること」という記事がなかなかに興味深かったので、少し触れておきたい。
ここでは、「ジャニオタ」と一括りにされ時には揶揄や批判の対象になっていことに苦悩する人、「ジャニオタ」の中での敵探しにうんざりしている人、ジャニーズを辞めても変わらず応援するつもりでいたのに、新しい環境でのステージでの姿に幻滅の感情を抱いてしまい、心が離れた経験がある人etc...といった具合に、様々な事例が紹介されている。なるほど様々なファンの複雑な胸中が述べられていると言っていいだろう。
そしてもう一つ興味を引いたのは、次のyahoo記事のコメントだ。
ジャニーズファンの方に少し考えていただきたい記事だった。
>それで『ああ、私は華やかでキラキラしたジャニーズの人が好きなんだ』って気づいてしまいました。あんなに好きだった人を安っぽく感じた自分にがっかりしましたが、結局応援は続けられなくて、ジャニーズの中で新しい推しを見つけました。
とても正直な意見だと思うし、きっと推しのアイドル本人もそのキラキラの舞台を見て、憧れたんじゃないかな。自分もこういうふうになりたいって。
そんな演出ができるのが彼だったし、そこにつけこんだのも彼だった。ファンのこともタレントのことも、本当に大切にしていれば、あんなことはしていなかったのでは。本人が病気でそれを止められなかったなら、気づいた周りが止まるべきだったのでは。
ここまで見てきたところについて個人的見解を言えば、「応援してきた過去やこれからも応援していきたい気持ちが残っていることを否定できないし、だからこそ戸惑っている」というファンの心情を私は否定しないし、むしろ誠実な反応とすら思う(ジャニーズ問題についてはよく先の戦争を例に出すが、戦前の「鬼畜米英」から戦後の「アメリカさんありがとう」にあっさり乗り換えたようなコウモリ野郎たちよりは人間的と言える、というぐらいの意味である→『シニア右翼』などで述べられる問題構造などを参照)
しかしその先を何が分かつのかと言えば、「その苦悩にどう向き合い、どう指針を立てていくか」ではないだろうか。例えばわかりやすく極端に問題のある例を出せば、「自分の大事なものを否定されたくない感情」が暴走した結果、批判者の人格否定を始めるような反応だろう(もうすでに当事者の会が動いているようだが、訴訟リスクあり)。そしてそれに続く形で、これまでの自分たちを正当化するために、理由にもならない御託を並べ立てて「何を言っているんだあの人たちは??」と白い目で見られ、ますます自分(たち)の立場を危うくするという反応がある(山下何某や第四のスカルノを見ればわかる通り、何のプラスも産まない)。
このようにグラデーション化していくと、先でも見たコメントにつながるわけだが、それをファン心理とも重ね合わせながら考えてみると、次のような切り分けと対応設定ができるのではないだろうか。
・ジャニーズは好きだったし、今でも好きな感情は残っている
・でもジャニー喜多川がやった性加害はオフィシャルに認められており、それは許せないことだと思う
・これまでの構造的にジャニーズが批判にさらされているのはしょうがない面もあるが、応援したい気持ちを捨てきれない
・大手マスメディアやスポンサー企業の対応はしょうがないと思う反面、納得できない部分も多々ある
・ジャニーズ事務所が解体するのは避けられないとして、移籍した「推し」が、以前と同じように輝けるか不安
・ジャニーズ事務所の威光であの人気があったんだと言われないように、複雑な気持ちはあるがしっかり応援していきたい
・狂信者とは距離を取るor関係を断つ(これはカルト教団と同じ。ジャニーズファンを悪魔化されないようにする意味でも重要)
こんなとこではないかと。もっとかいつまんで言えば、「オフィシャルに認められている現実を否認はしない・応援したい気持ちには嘘はつかない・ただしその応援したい気持ちをどのような方向に向けていくかはよくよく吟味する」の3つに集約することができるだろう。
まあ別にこれは私が勝手に言っているだけなので実際には様々な反応(ハレーション)が生じてくると思われるが、例えばファン以外からの「ジャニーズを応援したい気持ちが残っている人=完全悪=どれだけ叩いてもいい」といった眼差しはあまりにも単純なレッテル貼りと自己正当化であり、それはそれで避けるべき対応だろうと述べつつ、この稿を終えたい。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます