ついさっきおよそ10ヶ月もかけて地獄少女~二籠~(以下「地獄少女2」と表記)を見終わった。少し時間を置いて感想(というか覚書)を書こうと思ったが、飯食っていたら色々浮かんできたし寝たら感情がごっそりと抜け落ちると思われたのでとっとと載せておくことにする。なお、以下は完全にネタバレなので注意。
地獄少女2の後半は、「復讐の連鎖」が一つの基調となっているが、最後は、旅館の話などにも出てきた復讐の連鎖を受けて街単位で復讐の連鎖が行われる。その最後で、地獄少女は自ら人身御供になることを選び、復讐の連鎖を断ち切った。もしこれで彼らを全員殺していたら昔と同じになっていたが(視聴者の意識はそちらに傾いていたと思われる)、愛は彼らの怒りをその身に受けることで復讐の連鎖を止めただけでなく、それによってかつて自分の業によって捕らわれたままの魂たちを解放までしたのであった。
ところで、愛を殺した者達は死にこそしなかったが、地獄流しをした人間の余生がどのようなものであったかを思い返すと、死ねば地獄という消えることのない(=赦しのない)刻印によって真綿のように締め上げられていく人生を送ることだろう。それは現世の私達の目から見れば、速やかな死よりよほど深刻な罰かもしれない。
ところで、徒党を組むと群集心理が働き暴力行為に及ぶ様子が描かれているが、個人的にはタクマを「悪魔の子」と皆で警戒しながら、その実お互いが地獄流しをし合うのを見て、ふとマイケル・ムーアの「ボウリング・フォー・コロンバイン」を思い出した。あれは特定の個人を警戒しているわけではないが、それでも黒人などがその対象になっていることが描かれている(今ならムスリムなども含まれる)。そうしてアメリカ人は犯罪を警戒し(ことによっては怯え)ているのだが、にもかかわらず同じく銃を規制していないカナダよりずっと犯罪率が高い。しかも、鍵をかけない家に訪問を行うなどしてみると、どうやらカナダ人はアメリカ人ほど犯罪や他者を警戒していないようだ。そうすると、「犯罪を警戒し、他者を疑う心=犯罪の抑制」といういかにも論理的に見える方程式は、実態を正しく反映しているのだろうか…?「ボウリング~」はそんな疑問を私達に突きつけているのだが、現在の日本人の状況がアメリカに近くなってきていることを思えば、地獄少女2における「悪魔の子」への怯えとは裏腹の復讐の連鎖は、そんなアナロジーを意識しているのかもしれない。
ちなみに、俺は「そんな街いっそ滅んでいまうがいい」と思い、かつこの感想を自己分析してみたが、かなり長そうなので次回に譲ることにする。
地獄少女2の後半は、「復讐の連鎖」が一つの基調となっているが、最後は、旅館の話などにも出てきた復讐の連鎖を受けて街単位で復讐の連鎖が行われる。その最後で、地獄少女は自ら人身御供になることを選び、復讐の連鎖を断ち切った。もしこれで彼らを全員殺していたら昔と同じになっていたが(視聴者の意識はそちらに傾いていたと思われる)、愛は彼らの怒りをその身に受けることで復讐の連鎖を止めただけでなく、それによってかつて自分の業によって捕らわれたままの魂たちを解放までしたのであった。
ところで、愛を殺した者達は死にこそしなかったが、地獄流しをした人間の余生がどのようなものであったかを思い返すと、死ねば地獄という消えることのない(=赦しのない)刻印によって真綿のように締め上げられていく人生を送ることだろう。それは現世の私達の目から見れば、速やかな死よりよほど深刻な罰かもしれない。
ところで、徒党を組むと群集心理が働き暴力行為に及ぶ様子が描かれているが、個人的にはタクマを「悪魔の子」と皆で警戒しながら、その実お互いが地獄流しをし合うのを見て、ふとマイケル・ムーアの「ボウリング・フォー・コロンバイン」を思い出した。あれは特定の個人を警戒しているわけではないが、それでも黒人などがその対象になっていることが描かれている(今ならムスリムなども含まれる)。そうしてアメリカ人は犯罪を警戒し(ことによっては怯え)ているのだが、にもかかわらず同じく銃を規制していないカナダよりずっと犯罪率が高い。しかも、鍵をかけない家に訪問を行うなどしてみると、どうやらカナダ人はアメリカ人ほど犯罪や他者を警戒していないようだ。そうすると、「犯罪を警戒し、他者を疑う心=犯罪の抑制」といういかにも論理的に見える方程式は、実態を正しく反映しているのだろうか…?「ボウリング~」はそんな疑問を私達に突きつけているのだが、現在の日本人の状況がアメリカに近くなってきていることを思えば、地獄少女2における「悪魔の子」への怯えとは裏腹の復讐の連鎖は、そんなアナロジーを意識しているのかもしれない。
ちなみに、俺は「そんな街いっそ滅んでいまうがいい」と思い、かつこの感想を自己分析してみたが、かなり長そうなので次回に譲ることにする。
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