合コン女子が相手の容姿はもちろん、年収なども値踏みするのは、コーラを飲んだらゲップをするのと同じくらい必定である。それは喩えて言うならセンター試験と二次試験に似ている。その総合点で「合格」は決まるが、そもそもセンターで一定の点数を取れない人間はお逝きなさい判定されるのである。
さういう合コン女子の「値踏み」をアクセル全開にしてネタ化しつつ、しかもタメになる企業分析(紹介)までやっちまおうってんだから、そこにどうして痺れたり憧れないことがあろうか、いやない。しかも、主人公(33)のマシンガントークの切れ味に加え、ニュータイプの閃き演出、野郎どものアンポンタンな思考(主人公との対照性)という無呼吸連打(©スペック)までかましてくるので、これを耐え抜けるのは勇次郎か花山か、というレベルの完成度である。
こういう企業分析という名の値踏みは、たとえネタであっても一部の人間の怒りを買うリスクを避けられない。しかし、ここで主人公(?)の年齢である20歳+156か月が効いているのだ。すなわち、どれだけ的確な分析をしたとしても、今の自分の状況を「最高値で売る」とのたまってる時点で「灯台元暗し」の典型であり、どんな職種の人間が出てきてもリスクのことを思い描いてペンディングを続けること自体、そもそもギャクでしかないのだ。そのギャップがおもしろいとともに、たとえ反発が出たとしても、この比類なきデュエリスト=合コンマスターに対するイタさの指摘&嘲笑という方向に向かうのだ。実際、コメント欄は反感であれ賞賛であれその多くは主人公(33)に対するものとなっており、動画投稿者への(感情的)反発という形ではほとんどと言っていいほど見られない。以上からすれば、この動画シリーズの演出と設定は神の采配であり、十二分に機能していると評価できるだろう・・・なーんつって、このデュエリストに足切りを食らうであろう状況のわたくしめが、ウエメセで分析してみましたよ、と(゚∀゚)アヒャ
まあでも、オーバーカリカチュアライズなのを承知で書けば、ここで描かれる男女のメンタリティの非対称性からすると、経済力がある女子にとって「別に男子なんかいらねーわ」という発想になるのは、まあ至極当然のことであるように思えるなあ。あるいは、「ガラスの天井」の存在があちこちでrevealされている昨今、賢明な判断力を持つ人間がシステムに最適化(これは「臨死!江古田ちゃん」の猛禽とかが類型的なマインド。あけすけに言うと、適度にバカなフリをした方がモテるという市場的傾向)しようと思うなら「いかに自分を高値で売りつけるか」と発想し、とっとと成婚する者たちが一部いる一方で、合成の誤謬(年収500万超え当たり前でできれば1000万ってそんな人間周囲にどれだけいんだよw)によって晩婚化が進むという寸法である。
というわけで、この主人公の圧倒的分析に傾聴しつつ、現代日本社会の構造というものについて思いを馳せてみると、あやしゅうこそものぐるおしけれ(適当)と述べつつ、本稿を終えたい。
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