ひぐらし祭囃し編覚書~陰謀の背景など~

2009-01-23 20:13:08 | ひぐらし
祭囃しの覚書もかなりの量になってきたな…前回は皆殺し、澪尽しとの比較が中心だったが、今回は終末作戦の背景とそれを防止するまでの動きについて述べる。


◎野村のクライアント
アメリカとの同盟や自国防衛という立場をすて、中国との同盟関係を目指す派閥=アジア友好再建計画会議。目的は奥野・千葉・小泉派を潰すこと。しかし野村は奥野派とも繋がる二重スパイ。相手の状況を探るためか、あるいは計画が失敗した時のための安全策か、はたまた両方か…なお、余談ながら澪尽し編では事件後の彼女の扱いがかなり違っている模様。


◎梨花が仲間に相談する際もひとひねり
梨花は羽入の提案に従い、「漫画を描こうと思って…」と仲間に切り出す。この演出の意図は以下のように考えられる。ちなみに、アニメ版では梨花が自分でこの戦略を考え付くことになっているのは、おそらくゲーム版と違い羽入との共犯関係が成立していないからだろう(羽入が中心、あるいは能動的になる必要がそこまでない)。

(1)
皆殺し編で部活メンバーが梨花の告白をあっさり信用したことに対して、「いくら信じるのが仲間だと言っても…」という批判が出たと予想される(ひぐらしとオウム真理教)。それを意識した演出だろう。なお、この問題に関しては圭一が鷹野を疑うことについて興味深い反応を示している。

(2)
そういった展開が「漫画的」というメタファー


◎雛身沢症候群の研究継続(?)
(a)陸自の別部門に研究引継ぎ。心ゆくまで研究できる(by野村)。
(b)「このトラップにおいては、実行役の悪役研究員の始末は絶対でございましてよ?黒幕にとっては、生かしておく価値がありませんもの!」(by沙都子)

TIPS「悪魔の脚本」がある以上、(a)は嘘と考えるのが妥当。詳しくは「覚書~野村のビジュアルなど~」を参照。仮に(a)のとおりになったら……ひぐらし咄し編2の「あるスクラップブックが示す断片的な顛末、あるいはある神の末路を記す断片的な記録」になる。


◎神社で富竹・入江と話す梨花…部活メンバーのロジックを流用
それを大石&赤坂に聞かれ、話が進む。なお、これがさらに沙都子に聞かれそのまま園崎家へ移動。説明が二度手間になるのを防ぐことによってスピーディーな展開を可能にしている。話す場所には気をつけろよと思うが、まあ山狗は警戒態勢でないと常時盗聴や監視を行っていないらしいからなあ…この辺は赤坂が非番で来てることも有効に作用しているのだろう(公務なら興宮署から情報がいく可能性あり)。


◎鷹野を疑うことへの罪悪感(圭一のモノローグ)
プレイヤーにとって鷹野が何をやったかは自明だが、圭一(たち)は知らない(知らない状態にする意味は「カケラ紡ぎの意図と効果」を参照)。とするなら、鷹野が犯人であるという梨花の発言をあっさり信じるのは「疑うな、信じろ」に反するのでは?それとも仲間の言うことなら人を疑うのはOKなのか?ならば仲間とは何か?信頼と排他、雛身沢の性質etc...という具合に様々な角度とレベルで疑問・批判が出ることが予想される(前掲の「ひぐらしとオウム真理教」も参照)。おそらく圭一のモノローグは、そういった(排他性への)批判への予防線になるとともに、(展開上必然的ではあるにしても)梨花の発言を何の疑問も持たず受け止めるプレイヤーに違和感を抱かせることが狙いだと思われる。さらに言えば、その違和感は後に描かれる鷹野の終末作戦へのためらいへと繋がるわけである。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 吸血鬼かりん:途中経過 | トップ | ひぐらし祭囃し覚書~「戦争... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ひぐらし」カテゴリの最新記事