今回の目的はこのベニバナイチヤクソウ。越後ではほとんど見られない種ですが、内陸部の亜高山帯には生育しています。裏磐梯には大群落があるというわけではなさそうで、数箇所で小さな個体群に出会う程度でした。昔、信州(八ヶ岳)でみた深い森の中の大きな群落が今でも思い出されます。あのときの迫力はないししろ、花の美しさはここでも格別でした。
上から見る花と下から見る花の感じはかなり異なります。長くL字状に曲がったものは雌しべでその付け根に数本の雄しべが塊になって付いています。これでは自花受粉は難しそうですすね。この構造を見て、どういうポリネーターがいるのか考えさせられます。昆虫類なのでしょうが、その形態と習性がこの花の受粉に関わっているとなると、それは何なのだろうと・・・。
ベニバナイチヤクソウの花は桃色が主ですが、かなり変化があり濃いものから白に近いものまで見られます。裏磐梯の種はどちらかというと白に近い桃色でした。つぼみのものが色がはっきりしていていい感じでした。夏が近づいてくると普段見られない花を求めて高山や高原を歩くのが楽しみになります。