森の案内人 田所清

自然観察「独り言」

坂戸山のイカリソウ ①

2013年05月21日 | 自然観察日記
先日イカリソウの話題を取り上げました。その後、この坂戸山に入ったのですが、カタクリはピークを過ぎてイカリソウが盛りでした。その量の多さに圧倒されて、同行した人も大きな歓声をあげていました。実はここのイカリソウは花の色の変化がかなりあって、赤紫色の基調は変わらないまでも、濃淡がとても面白いものでした。薄い白に近いものから暗紫色のものまで多様です。この個体は、薄い紫色の個体です。周囲にはトキハイカリソウは見られません。また、キバナイカリソウも見かけませんでした。

坂戸山のイカリソウ ③

2013年05月21日 | 自然観察日記
この個体は、赤みが強い個体で明るい感じがします。
この地にトキワイカリソウがないのはなぜか?長岡にはその逆でイカリソウは見当たりません。同じ雪国でそれほど離れているとも思えない場所で、2種のイカリソウがすみわけをしているようなのです。不思議ですね。察するに、雪国と言っても雪の量とその消え方にヒントがありそうな気がします。長岡は雪が消え高木がまだ葉を展開するまでにはそれなりの時間があるので、トキワイカリソウの昨年の葉の意味はありそうです。気温が低くても光合成という生産はできるのではないでしょうか。魚沼地域は雪解けが遅くブナなど高木は林床の雪が消えるのがまどろこしくて早々と葉を展開させてしまいます。林床の雪が消える頃にはもうすでに高木は熱く葉を茂らせている・・・。これでは、トキハイカリソウの戦略は通用しませんね。もっと違った能力の持ち主のイカリソウに占拠されている・・・。見当違いの推理かもしれませんが、あれこれ考えるのが楽しいですね。